これで安心!お子さんが外でSNSを使う時:学校や友達の家でのルール作り
お子さんのSNS利用について、ご家庭でルール作りを進められていることと存じます。利用時間や使う場所、やり取りの内容など、様々な項目について話し合っておられることでしょう。
さて、お子さんがSNSを使うのは、ご家庭の中だけでしょうか。学校や塾、友達の家など、自宅の外でSNSを利用する機会もあるかもしれません。ご家庭の中にいる時は保護者の方の目が届きやすいかもしれませんが、外にいる時はどうでしょう。お子さんがどんな使い方をしているのか分からず、不安に感じておられる方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、お子さんが自宅の外でSNSを使う際に、どんなことに気をつけるべきか、そしてご家庭でどんなルールを話し合っておくべきかについて、具体的なステップと注意点をご説明します。ITが苦手という方もご安心ください。専門用語を避け、分かりやすい言葉でお伝えします。
なぜ自宅の外でのSNS利用ルールが必要なのか
ご家庭でのルールに加え、自宅の外での利用について特にルールを決めておく必要があるのは、いくつかの理由があります。
- 保護者の方の目が届きにくい環境であること: 自宅にいる時と比べて、保護者の方がお子さんの様子を直接確認する機会が少なくなります。そのため、お子さんがルールを守っているか、困ったことに巻き込まれていないかなどを把握しづらくなります。
- 周囲の環境や人間関係が多様であること: 学校には学校のルールや雰囲気があり、友達の家にはそのご家庭の考え方や習慣があります。また、公共の場では他の多くの人も利用しています。それぞれの場所に適したマナーや配慮が必要になります。
- トラブルのリスクが高まる可能性があること: 保護者の目が届かない場所で、つい羽目を外してしまったり、周囲の雰囲気に流されてしまったりすることがあるかもしれません。また、フリーWi-Fiなど安全性が確認できないネットワークを使う機会も増える可能性があります。
こうした理由から、自宅の外で安全に、そして周りの人に迷惑をかけずにSNSを利用するために、あらかじめご家庭で話し合い、ルールを決めておくことが大切になります。
自宅の外でのSNS利用で特に気をつけるべきこと
では、具体的にどんなことに気をつける必要があるのでしょうか。場所ごとに考えてみましょう。
学校での利用
多くの学校では、スマートフォンなどの利用に関する校則があります。まずは、学校のルールを親子で一緒に確認することが大切です。
- 校則の確認: 学校によっては、敷地内でのスマホの利用を禁止していたり、特定の時間帯(休み時間のみなど)に限っていたりします。校則で認められている範囲内で利用すること、校則に違反するような使い方(授業中の利用、テスト中の利用など)は絶対にしないことを確認しましょう。
- 友達とのやり取り: 学校で会っている友達とSNSでやり取りする際も、学校で話す時と同じように相手への配慮を忘れないことが大切です。また、クラスや部活動などのグループチャットでは、他の人の迷惑になるようなメッセージを送らない、誤解を招くような書き込みをしないなどを話し合っておきましょう。
- 個人情報やプライベートな内容の投稿: 学校の様子や友達のプライベートな情報(顔が写った写真、家が特定できるような背景など)を、本人の許可なくSNSに投稿することは絶対にやめましょう。トラブルの原因になるだけでなく、肖像権やプライバシーの侵害にあたる可能性もあります。
友達の家での利用
友達の家に遊びに行った際にもSNSを利用する機会があるかもしれません。
- 友達やそのご家族への配慮: 友達の家は、友達のご家族の場所でもあります。訪問先のご家庭のルールや雰囲気を尊重し、SNSの利用時間や場所、音量などに配慮することが大切です。
- 勝手に写真や動画を撮らない: 友達や友達の家の中の様子を、勝手に写真や動画に撮ってSNSに投稿することは絶対にやめましょう。必ず相手の許可を得てから行うこと、そして投稿しても良いかどうかも確認することが重要です。
- ゲームや他のアプリとの連携: 友達と一緒にゲームをしたり動画を見たりする際に、その中でSNSと連携する機能を使うこともあるかもしれません。その場合も、友達の同意を得て、何が見えるようになるのか、どんな情報が共有されるのかなどを確認してから利用するようにしましょう。
公共の場での利用
電車の中やお店、公園など、公共の場でSNSを利用する際には、周囲の人への配慮が必要です。
- マナーと音量: 電車内などでは、SNSの通知音や操作音が周りの人の迷惑にならないよう、マナーモードに設定する、イヤホンを使うなどの配慮を忘れないようにしましょう。
- 歩きスマホの危険性: スマートフォンを見ながら歩く「歩きスマホ」は、自分自身や周りの人を巻き込む事故につながる非常に危険な行為です。歩いている時はSNSの操作をしない、立ち止まって安全な場所で利用するなど、基本的なマナーを守ることが大切です。
- 個人情報や居場所の特定につながる投稿: 公共の場にいる際に、「〇〇駅にいます」「これから△△に行きます」といった、居場所が特定できるような情報をSNSに投稿することは避けましょう。見知らぬ人に付きまとわれたりするリスクにつながる可能性があります。
デバイスの管理と紛失のリスク
自宅の外にデバイス(スマートフォンやタブレットなど)を持ち出すということは、紛失や盗難のリスクも伴います。
- 紛失防止のルール: デバイスを置きっぱなしにしない、カバンの中にしっかりしまう、などの紛失防止のルールを決めましょう。万が一紛失した場合の連絡方法(保護者への連絡、利用停止手続きなど)についても話し合っておくと安心です。
- ロック機能の設定: 第三者に勝手に操作されないよう、必ず画面ロック(パスコード、指紋認証、顔認証など)を設定することを徹底しましょう。
- フリーWi-Fi利用の注意点: カフェや公共施設などで提供されている無料のWi-Fi(フリーWi-Fi)は、通信内容が暗号化されておらず、個人情報などが漏れてしまう危険性がある場合があります。安易に接続しない、接続する場合も個人情報やパスワードを入力するような操作は避けるなどの注意が必要であることを伝えておきましょう。
自宅の外でのSNS利用ルールを家庭で話し合うステップ
では、これらの点を踏まえて、ご家庭でどんなルールを話し合えば良いのでしょうか。
- なぜルールが必要か、お子さんと話す: 一方的に「あれもダメ、これもダメ」と決めるのではなく、「外で使う時に、なぜ気をつけることが必要なのか」を、お子さんと一緒に考えましょう。先ほど挙げたような、周りの人への配慮や危険性の話を、お子さんが理解できる言葉で説明します。お子さん自身の安全を守るため、そして周りの人と気持ちよく過ごすためのルールであることを伝えることが大切です。
- 「学校のルールを守る」を基本に据える: 学校にはすでにスマホ利用に関する校則がある場合がほとんどです。まずは「学校のルールをしっかり守ること」を家庭のルールの基本として確認し合いましょう。
- 場所や状況別のルール項目を考える: 「学校にいる時はどうする?」「友達の家では?」「電車の中では?」など、具体的な場所や状況を想定して、「こんな時はどうしようか」と話し合ってみましょう。
- 「学校では、休み時間だけ使う」
- 「友達の家では、遊ぶことに集中して、SNSは使わないようにする」
- 「電車の中では、音を消してマナーモードにする」
- 「歩きながらスマホは見ない」
- 「フリーWi-Fiには注意して使う」
- 「誰かの写真や動画を撮る時、SNSに載せる時は、必ず許可を取る」 といったように、具体的な行動について決めると分かりやすいです。
- 「困った時のルール」を決める: 外出中にSNS関連で困ったことが起きた時(見知らぬ人からメッセージが来た、友達との間で嫌なことがあったなど)、どうすれば良いかを必ず話し合っておきましょう。「すぐに保護者に連絡する」「学校の先生や信頼できる大人に相談する」など、助けを求める方法を確認しておくと、お子さん自身も安心して行動できます。
- ルールを決めたら書き出しておく: 決めたルールは、紙に書いたり、家族で共有できる場所に貼り出したりするなど、「見える化」しておくと、親子でいつでも確認できます。
ルールを決めた後も大切なこと
ルールは一度作ったら終わりではありません。
- 定期的な見直し: お子さんの成長や、SNSを取り巻く状況は常に変化します。春休みや夏休みなどの長期休暇前、あるいは新しい学年になるタイミングなど、家族でルールを見直す機会を設けましょう。
- 信頼関係を築く: 何よりも大切なのは、保護者の方とお子さんの間の信頼関係です。「何かあったら、お父さんやお母さんに話せば大丈夫だ」と、お子さんが安心して相談できる関係性を日頃から築いておくことが、自宅外でのSNS利用における最大の安心につながります。
まとめ
お子さんが自宅の外でSNSを利用する際は、ご家庭にいる時とは違う注意や配慮が必要です。学校のルールを守ることはもちろん、公共の場でのマナー、友達の家での配慮、そしてデバイス管理など、様々な点についてお子さんと一緒に話し合い、具体的なルールを決めておくことが安心につながります。
ぜひ、この記事を参考に、お子さんが外でも安全に、そして周りの人を大切にしながらSNSを利用できるよう、ご家庭で話し合いを進めてみてください。