これで安心!子供のSNS、知らない人に『会いたい』と言われたら?家庭で決める危険回避ルール
お子さんがSNSを使い始めると、さまざまな人とつながる機会が増えます。家族や学校の友達だけでなく、趣味や関心事が同じ人とSNSを通じて知り合うこともあるでしょう。
インターネットの世界で人とつながることは、新しい情報や楽しみを見つけるきっかけにもなります。しかし、同時に不安を感じる保護者の方もいらっしゃるかもしれません。特に、SNSで知り合っただけの「知らない人」と、お子さんが実際に会うことになる可能性について、どのような危険があるのか、どうすればよいのか分からず、大きな心配をされている方もいるでしょう。
この記事では、お子さんがSNSで知り合った人と実際に会うことの危険性について、保護者の皆様が知っておくべきことをお伝えします。そして、その危険からお子さんを守るために、家庭でどのようなルールを作り、どのように話し合えばよいのか、具体的なステップで解説いたします。
なぜ危険?SNSで知り合った人と『会う』ことの大きなリスク
お子さんがSNSで知り合った人と実際に会うことには、残念ながら危険が潜んでいます。インターネットの世界は便利で楽しい場所ですが、現実の世界と同じように、あるいはそれ以上に、注意が必要です。
- 相手は本当はどんな人か分からない SNSのプロフィールやメッセージは、相手が自分で自由に書くことができます。そのため、年齢や性別、職業、目的などを偽っている可能性があります。メッセージでは親切に振る舞っていても、実際は全く違う人物かもしれません。
- 年齢を偽った大人かもしれない 特に、お子さんと年の近いふりをして近づいてくる大人には注意が必要です。お子さんの年齢を尋ねてきたり、子供に合わせるような言葉遣いをしたりして、安心させようとする場合があります。その目的は、お子さんに危害を加えることかもしれません。
- 性的な被害、詐欺、誘拐などの犯罪につながる可能性 SNSを通じて子供に近づき、実際に会う約束をして、性的な被害を与えたり、お金をだまし取ろうとしたり、誘拐したりといった許せない事件が実際に起きています。このような犯罪者は、子供の純粋な気持ちや、秘密にしたいという気持ちを利用しようとします。
- 子供は危険を見抜くのが難しい お子さんは経験が少なく、目の前の人が本当に安全な人なのか、メッセージの裏に隠された意図はないかを見抜くことが非常に難しいです。楽しい話や共通の話題で盛り上がっているうちに、つい相手を信じてしまうことがあります。
インターネットで知り合った人に会うことは、例えるなら、街を歩いているときに突然「一緒にゲームセンターに行こうよ」と声をかけてきた知らない人に、ついていくことと同じくらい危険な可能性がある、と考えていただくのがよいでしょう。
お子さんはなぜ『会いたい』と思うことがあるのでしょうか
危険があるにも関わらず、お子さんがSNSで知り合った人に「会いたい」と言われたり、自分から「会ってみたい」と思ったりするのは、なぜでしょうか。お子さんの気持ちを理解することも、ルール作りの上で大切です。
- 共通の話題で盛り上がった相手だから ゲームやアニメ、アイドルのことなど、同じ趣味を持つ相手とSNSで話が合い、もっと仲良くなりたい、実際に会って一緒に何かしたい、と思うのは自然な気持ちです。
- 画面の向こうの人を身近に感じるから 毎日メッセージをやり取りしていると、画面の向こうの相手を友達のように感じ、距離が近く思えてきます。「会ってみたい」という気持ちが芽生えることがあります。
- 好奇心や承認欲求 「どんな人なんだろう?」という好奇心や、「会いたいと言われるのは嬉しい」という承認欲求も影響することがあります。
- 断るのが苦手 相手に「会いたい」と言われたとき、「断ったら嫌われるんじゃないか」「気まずくなるのが怖い」といった気持ちから、はっきりと断ることができず、ずるずると約束してしまいそうになるお子さんもいます。
お子さんの純粋な気持ちがある一方で、そこに危険な意図を持って近づいてくる大人がいることを、保護者は知っておく必要があります。
家庭で決めるべき具体的な『会う』ことに関するルール
お子さんをSNSの危険から守るために、家庭で「SNSで知り合った人と実際に会うこと」に関するルールを明確に決めることが非常に重要です。ITに詳しくなくても大丈夫です。大切なのは、お子さんと一緒に危険について話し合い、どうすれば安全かを決めることです。
以下に、家庭で決めるべき具体的なルールの例を挙げます。お子さんの年齢や性格、ご家庭の状況に合わせて、内容を調整してください。
- 知らない人とSNSで知り合っても、保護者の許可なく実際に会うことは原則禁止とする これが最も基本となるルールです。SNSでいくら仲良くなっても、素性の分からない相手と子供だけで会うのは危険が伴うことを理解し、安易に会わないことを約束します。
- もし「会いたい」と誘われたら、必ず保護者に相談する お子さんが自分だけで判断せず、必ず保護者に正直に話すことができるようにします。隠れて会うことが一番危険です。「相談すれば頭ごなしに怒られる」と思わせないように、日頃から話しやすい関係を築いておくことも大切です。
- もし会うことになった場合でも、必ず保護者が同伴する 相手が信頼できると保護者が判断し、かつ、どうしても会う必要がある場合(例えば、同じ習い事の保護者同士がSNSで連絡を取り合っていて、子供も含めて集まる場合など)、お子さんだけで会わせず、必ず保護者が一緒にいるようにします。
- 会う場所は公共の場所、時間は昼間など、安全を第一に考える もし保護者同伴で会う場合でも、人通りの少ない場所や時間帯は避けます。喫茶店やフードコートなど、人目がある公共の場所を選び、昼間の明るい時間帯に会うようにします。
- 会う前に、相手に伝えている個人情報を見直す 待ち合わせ場所を伝える際に、自宅の最寄り駅や学校の近くなど、お子さんの普段の行動範囲が推測される情報を安易に伝えていないか確認します。待ち合わせの目印も、お子さんが一人で分かりやすいもの(例えば「〇〇の看板のところ」など)にする際も注意が必要です。
- もし実際に会って少しでも嫌な気持ちになったら、すぐにその場を離れることを決めておく 万が一、約束を破って一人で会ってしまった場合や、保護者同伴であっても相手の態度が「おかしいな」「怖いな」と感じた場合に備え、「いつでも帰ってきていい」「すぐに電話して」と伝えておきます。お子さんが自分の身を守るための行動をとる勇気を持てるようにサポートします。
ルール作りの具体的なステップ
これらのルールを家庭でどのように決め、お子さんと共有すればよいのでしょうか。以下のステップで進めてみてください。
- ステップ1:保護者が危険について理解する まず、保護者の方がこの記事などを読んで、SNSで知り合った人と会うことの危険性について正しく理解することが第一歩です。
- ステップ2:お子さんと一緒に危険について話す お子さんが落ち着いている時間を選んで、「SNSのことなんだけど、少しお話ししてもいいかな?」と優しく声をかけます。「もしね、SNSで仲良くなった人から『今度会おうよ』って誘われたら、どう思う?」など、お子さんの気持ちを聞くことから始めてもよいでしょう。そして、先ほど説明したような危険性について、お子さんにも分かる言葉で丁寧に話します。「本当は大人なのに子供のふりをしている人もいる」「怖い犯罪に巻き込まれてしまうこともあるんだ」など、具体的な例え(「街中で声をかけてきた知らない人についていくのは危険なことだよね?それと同じなんだよ」など)を交えて説明します。
- ステップ3:家庭のルールを明確に決める 話し合った内容を踏まえて、「うちでは、SNSで知り合った人と、お父さんやお母さんに内緒で会うのは絶対にやめようね」「もし会いたい人ができたり、会おうって誘われたりしたら、どんなときでも、まずお父さんやお母さんに相談することにしようね」といった、家庭のルールを明確に決めます。なぜそのルールが必要なのか、お子さんを守るための大切な約束であることを伝えます。
- ステップ4:相談された場合の保護者の対応方針を決めておく お子さんが勇気を出して相談してくれたとき、頭ごなしに叱るのではなく、「話してくれてありがとう」「相談してくれてよかった」とまず受け止めることが非常に重要です。相談しやすい関係性を維持するために、保護者自身の対応についても、事前に心づもりをしておきましょう。
- ステップ5:決めたルールを家族みんなで共有する 決めたルールを紙に書いて、お子さんの部屋やリビングなど、家族みんなが目にするところに貼っておくのも良い方法です。いつでもルールを確認できるようにしておくと、忘れずに済みます。
- ステップ6:必要に応じてルールを見直す お子さんの成長によって、SNSの使い方も変わってきます。年齢が上がったり、新しいSNSを使うようになったりしたら、その都度、ルールを見直す機会を持ちましょう。一方的に決めるのではなく、成長に合わせてお子さんと一緒に話し合うことが大切です。
まとめ:大切なのは『話せる関係』であること
お子さんがSNSで知り合った人と実際に会うことには、危険が潜んでいることをご理解いただけたかと思います。これらの危険からお子さんを守るためには、家庭で明確なルールを作り、お子さんと共有することが非常に重要です。
ここで最も大切なのは、ルールを決めること自体もですが、お子さんが何か心配なこと、困ったことがあったときに、保護者に正直に話せる関係を日頃から築いておくことです。「もし、会いたいって言われたら、お父さん/お母さんに必ず相談してね。どんなことでも、絶対味方だから。」という安心感を与えることが、お子さんを危険から守る一番のお守りになります。
ルールは、お子さんを縛るためのものではありません。インターネットの世界の危険からお子さんを守り、安心してSNSを楽しめるようにするための、大切な約束です。この記事が、ご家庭でSNSの安全について話し合うきっかけとなり、保護者の皆様の不安を少しでも減らすことができれば幸いです。