IT苦手でも大丈夫! 子供のSNS「プライバシー設定」親子で安心確認ガイド
はじめに:子供のSNS利用、プライバシー設定が安心の第一歩
お子さんがスマートフォンを持ち始め、SNSを使うようになると、嬉しい気持ちとともに様々な不安も感じられる保護者の方も多いのではないでしょうか。「うちの子は大丈夫かな」「どんな危険があるのか分からない」といったお声もよく耳にします。
SNSの利用で特に大切になるのが、「プライバシー設定」です。この言葉を聞くと、難しそうだと感じるかもしれませんが、決して専門的な知識は必要ありません。例えるなら、お家の鍵をしっかりかけるようなものです。鍵がしっかりかかっていれば、知らない人が簡単に中に入ってくることはありませんね。SNSのプライバシー設定も、誰に情報を見せるか、どんな情報を共有するかを自分で決めるための大切な「鍵」なのです。
お子さんが安全にSNSを使うためには、このプライバシー設定を親子で一緒に確認し、適切に設定することが非常に重要です。この記事では、ITに苦手意識がある保護者の方でも安心して取り組めるよう、プライバシー設定の重要性と、具体的な確認・設定ステップを分かりやすくご説明します。
なぜプライバシー設定が大切なの? 「知らない人」から情報を守るために
プライバシー設定がなぜそんなに大切なのでしょうか。それは、設定がきちんとされていないと、お子さんの大切な情報が、本来見せたくない「知らない人」にも見えてしまう可能性があるからです。
例えば、
- 投稿した写真や動画: お子さんやご家族の顔、家の周りの景色、学校の制服などが写っていると、個人が特定される手がかりになることがあります。
- プロフィール情報: 本名、年齢、住んでいる地域、通っている学校などが、誰にでも見られる設定になっているかもしれません。
- 位置情報: どこにいるか、どこに行ったか、といった情報が、投稿と一緒に公開されてしまうことがあります。
- 友達リスト: どんな友達とつながっているかが分かってしまうと、お子さんの人間関係まで見えてしまう可能性があります。
これらの情報が、悪意を持った人に見られてしまうと、お子さんに近づこうとしたり、なりすましに使われたり、場合によっては犯罪に巻き込まれる危険性も考えられます。
しかし、多くのSNSには、このような情報を見せる相手を制限するための「プライバシー設定」という機能が備わっています。この設定を適切に行うことで、「投稿は家族や仲の良い友達だけに公開する」「個人を特定できる情報は公開しない」といったように、情報を見せる範囲を自分でコントロールできるようになります。
親子で安心! プライバシー設定を確認・設定する具体的なステップ
それでは、実際にお子さんが使っているSNSアプリで、プライバシー設定を親子で一緒に確認・設定してみましょう。難しく考える必要はありません。お子さんと一緒に、一つ一つ確かめていくことが大切です。
SNSアプリによって設定画面の場所や項目名は少しずつ異なりますが、基本的な考え方や確認するべきポイントは共通しています。
ステップ1:まずは設定画面の場所を確認してみましょう
まず、お子さんが使っているSNSアプリを開いてみてください。多くのアプリでは、プロフィール画面やメニューの中に「設定」「設定とプライバシー」「プライバシー設定」といった項目があります。
【ポイント】 * アプリの画面を注意深く見て、「設定」や歯車のようなマークを探してみましょう。 * もし見つからなければ、インターネットで「(アプリ名) プライバシー設定 方法」と検索すると、公式の説明が見つかることが多いです。お子さんと一緒に探してみるのも良いでしょう。
設定画面が見つかったら、焦らずゆっくり見てみてください。たくさんの項目があって難しそうに見えるかもしれませんが、大切なのは「誰に情報を見せるか」をコントロールする項目です。
ステップ2:お子さんと一緒に「なぜ設定が大切なのか」を話し合いましょう
設定を始める前に、なぜこの設定が大切なのかをお子さんに分かりやすく伝えてください。
- 「この設定をちゃんとすると、知らない人に勝手に写真を見られたり、どこにいるか知られたりするのを防げるんだよ。」
- 「大切なお友達とのやり取りを、安全に楽しむために必要なことなんだ。」
と、お子さんが理解できる言葉で話してみてください。一方的に「やりなさい」と言うのではなく、「一緒に確認しようね」「何が心配か教えてくれる?」と寄り添う姿勢が大切です。
ステップ3:主な設定項目を確認・変更してみましょう
設定画面の中には、様々な項目があります。特に確認してほしい、または変更を検討してほしい代表的な項目は以下の通りです。
- プロフィール情報の公開範囲:
- 名前、年齢、性別、住んでいる地域、学校名などを公開するか、公開範囲(全員、友達のみ、非公開など)を設定する項目です。
- → 本名や学校名など、個人を特定できる情報は安易に公開しない設定にしましょう。 特に小学生や中学生のお子さんの場合、本名や学校名を公開する必要はほとんどありません。「ニックネームだけにする」「公開しない」設定を検討してください。
- 投稿(写真、動画、文章)の公開範囲:
- 自分が投稿した内容を、誰が見られるかを設定する項目です。「全体に公開」「友達まで公開」「一部の友達にのみ公開」「非公開」などの選択肢があります。
- → 投稿は「友達まで公開」など、信頼できる相手に限定する設定が安心です。 特に、顔が写った写真や、家の場所が分かるような写真、学校の制服が写った写真などを投稿する場合は、見られる相手をしっかり制限しましょう。
- 友達リストの公開範囲:
- 自分がSNSでフォローしている人や、友達になっている人のリストを、他の人に見せるかどうかを設定する項目です。
- → 友達リストは「非公開」に設定するのがおすすめです。 友達リストが見えてしまうと、お子さんの交友関係が分かってしまい、お子さんの友達にまで悪意のある人が近づこうとする可能性も出てきます。
- 位置情報サービス:
- 投稿した時に、どこから投稿したかという「位置情報」を一緒に公開するかどうかの設定です。
- → 原則として位置情報サービスは「オフ」に設定しましょう。 今いる場所やよく行く場所が特定されてしまうと、非常に危険です。どうしても必要な場合以外は、位置情報を公開しないようにしましょう。
- タグ付けやメンションに関する設定:
- 他の人がお子さんのアカウントを投稿に紐付けたり(タグ付け)、名前を呼びかけたり(メンション)できる範囲を設定する項目です。
- → 知らない人からのタグ付けやメンションを受け付けない設定にすると安心です。 許可した友達だけができるように設定を変更しましょう。
- DM(ダイレクトメッセージ)の受信設定:
- 知らない人から直接メッセージが送られてくるのを防ぐ設定です。
- → 知らない人からのDMを受け取らない設定にしましょう。 もし設定できない場合は、「知らない人からのDMには絶対に返信しない」というルールを親子で確認することが大切です。
一つ一つの項目について、お子さんと一緒に「これは誰に見えても大丈夫かな?」「知らない人に見られたら困るかな?」と考えながら設定を進めてみてください。分からない項目があれば、無理に進めず、一度調べてみるか、詳しい人に相談してみるのも良いでしょう。
ステップ4:設定したら終わりじゃない! 定期的な確認と話し合いを
一度プライバシー設定を終えても、安心しきってはいけません。
- SNSアプリのアップデートによって、設定項目が変わることがあります。
- お子さんの成長や、新しく使い始めたSNSによって、必要な設定も変わってきます。
そのため、年に数回、またはお子さんが新しいSNSを使い始めたタイミングなどで、親子で一緒にプライバシー設定を見直す時間を作るようにしましょう。
そして、何よりも大切なのは、普段からお子さんとSNSについてオープンに話し合える関係を築いておくことです。「何か困ったことがあったら、いつでもお母さん(お父さん)に話してね」と伝え、実際に相談しやすい雰囲気を作っておくことが、万が一のトラブルを防ぐ最も効果的な方法です。
まとめ:プライバシー設定は「安心」への具体的な一歩
子供のSNS利用におけるプライバシー設定は、決して難しいものではなく、お子さんをインターネット上の様々な危険から守るための、具体的な「鍵かけ」のようなものです。
ITに苦手意識がある保護者の方でも、お子さんと一緒に設定画面を開き、一つ一つの項目を丁寧に確認していくことで、きっと不安が和らぐはずです。大切なのは、完璧を目指すことではなく、お子さんと一緒に話し合いながら、できるところから少しずつ設定を調整していくことです。
このプライバシー設定の確認は、家庭でのSNSルール作りにおける大切なステップの一つです。ぜひ、この記事を参考に、お子さんと一緒に「安心」のための設定に取り組んでみてください。
【次のステップ】
プライバシー設定を確認したら、他のSNSルール(利用時間、投稿内容、友達との関わり方など)についても、お子さんと一緒に話し合って決めていくことをお勧めします。当サイトでは、家庭に合ったSNSルールを作るための様々な記事をご用意しておりますので、ぜひそちらもご覧ください。