これで安心!SNSから始まる子供の「うっかり課金」「変なアプリ」を防ぐ家庭ルール
お子さんがSNSを使い始めると、楽しいことや便利なことがある一方で、「何か危険な目に遭わないだろうか」「トラブルに巻き込まれないだろうか」とご心配になる保護者の方もいらっしゃるかと思います。特に、インターネットや新しい技術にあまり詳しくない場合、見えない危険について具体的に想像しづらく、漠然とした不安を感じやすいかもしれません。
お子さんのSNS利用に関する危険は、友達とのやり取りや個人情報の公開だけではありません。SNSをきっかけにして、「うっかり高額な料金を請求されてしまう」「ウイルスが入ったかもしれない変なアプリを入れてしまう」といった、お金や機器に関わるトラブルに巻き込まれる可能性もゼロではないのです。
このようなトラブルは、ITに詳しい大人でも騙されてしまうことがあります。しかし、事前にどのような危険があるのかを知り、お子さんと一緒に家庭でのルールを決めておくことで、多くのリスクは減らすことができます。この記事では、SNSがきっかけとなる「うっかり課金」や「不審なアプリ」の危険について、なぜそれが起こるのか、そしてどうすれば防げるのかを、分かりやすくご説明します。難しい言葉は使いませんので、安心して読み進めていただければ幸いです。
なぜSNSが「うっかり課金」や「不審なアプリ」の入り口になるのか?
「SNSを使うだけで、どうして課金や変なアプリにつながるの?」と疑問に思われるかもしれません。実は、SNSはさまざまな情報やサービスとつながる「入り口」のような役割を果たすことがあります。
例えば、
- 広告: SNSを見ていると、お子さんが興味を持ちそうなゲームやマンガ、診断テストなどの広告が表示されることがあります。これらの広告から、別のサイトに飛んだり、アプリのダウンロードを勧められたりすることがあります。
- 友達からの誘い: 友達から「このゲーム、面白いよ!」「このアプリを使うとプレゼントがもらえるらしいよ」などと勧められて、リンクをクリックしたりアプリをダウンロードしたりすることがあります。
- 連携アプリやサービス: SNSと連携するともっと便利になる、というアプリやサービスがあります。例えば、「SNSに投稿した写真を使って面白い画像を作れるアプリ」や「ゲームの記録をSNSでシェアできる機能」などです。このような連携を進める過程で、意図しない契約やアプリのダウンロードにつながることがあります。
お子さんは、これらの情報や誘いを「SNSを見ている延長」「友達からの情報」「便利そう」と感じて、深く考えずにクリックしたり、ダウンロードしたりしてしまうことがあります。その先に、思わぬトラブルが待っていることがあるのです。
「うっかり課金」とはどんなこと?
「うっかり課金」とは、本来無料だと思っていたのに、操作しているうちに料金が発生してしまった、という状況を指します。SNSをきっかけとしたものでは、以下のような例が考えられます。
- 無料だと思って始めたゲームやアプリで、アイテムを買うのに料金がかかった: アプリ自体は無料でも、ゲームを有利に進めるためのアイテムや、特別な機能を使うためにはお金が必要になることがあります。お子さんが「もっと強くなりたい」「友達に追いつきたい」といった気持ちから、保護者の許可なく購入してしまうことがあります。
- 「お試し無料」のつもりが、期間が過ぎて自動的に有料契約になった: 「最初の〇日間は無料!」というサービスに登録したものの、無料期間が終わった後、解約の手続きを忘れてしまい、自動的に料金が発生し続けてしまうことがあります。
- サイトに登録するだけで料金が発生した: 「登録するだけ」「クリックするだけ」などと言葉巧みに誘導され、実は有料のサイトへの登録になってしまい、登録しただけで利用料金を請求される、といったケースも残念ながら存在します。
これらの課金は、スマートフォンなどの利用料金と一緒に請求されたり、クレジットカードから引き落とされたりすることがあります。保護者の方が気づいた時には、かなりの金額になってしまっていることも少なくありません。
「不審なアプリ」とはどんなもの?
「不審なアプリ」とは、見た目は普通のアプリに見えても、実はスマートフォンに入っている大切な情報(電話番号、住所、メールアドレス、写真など)を勝手に盗み出したり、機器を壊す可能性のあるウイルスを送り込んだり、意図しない高額な契約をさせようとしたりする、危険なアプリのことです。
SNSをきっかけにダウンロードしてしまう可能性がある不審なアプリの例としては、
- SNSの機能を騙る偽アプリ: 「このアプリを入れると、SNSで『いいね!』がたくさんもらえるようになる」「友達の秘密が見られる」などと誘い、偽物のアプリをダウンロードさせようとすることがあります。
- 有名なゲームやサービスを真似たアプリ: 人気のゲームやサービスの偽物を作り、「公式サイトはこちら」と見せかけてダウンロードさせようとします。
- 心理テストや占い、診断アプリなどと見せかけたもの: 「あなたの性格を診断します」「将来何があるか占います」などと興味を引く内容で誘い、アプリをダウンロードさせようとします。
これらの不審なアプリをスマートフォンに入れてしまうと、個人情報が悪用されたり、知らない間に高額な情報料を請求されたり、機器の動作がおかしくなったり、他の人に迷惑をかけてしまうような情報を勝手に送信されたりする危険があります。
家庭で決める!「うっかり課金」や「不審なアプリ」を防ぐ具体的なルール
このような危険からお子さんを守るためには、お子さん自身が危険なものを見分けられるようになること、そして困った時にすぐに保護者の方に相談できる関係性が大切です。そのために、家庭で具体的なルールを決めましょう。お子さんの年齢や理解力に合わせて、話し合いながら進めることが重要です。
ここでは、すぐに家庭で話し合える具体的なルール案をいくつかご紹介します。
ルール案1:お金に関するルール
- 【具体的なルール】「課金は必ずおうちの人に相談する」
- ゲームでアイテムが欲しい、SNSでスタンプを買いたいなど、お金がかかることは、金額の大小に関わらず、必ず保護者に「これ買っていい?」と相談してから行うように決めましょう。
- 【なぜ必要?】 お子さんはお金の価値や、一度支払うと取り消せないことなどが十分に理解できていない場合があります。保護者が確認することで、意図しない高額請求を防ぎ、お金の使い方について学ぶ機会にもなります。
- 【具体的なルール】「無料と書いてあっても、お金がかかることがあると知っておく」
- 「無料」という言葉に安心してしまいがちですが、「最初の数日だけ無料」「この機能を使うにはお金がかかる」「有料サービスへの登録が必要」など、実は一部または後からお金がかかる仕組みがあることを伝えます。
- 【なぜ必要?】 「無料」という言葉の裏に隠れた仕組みがあることを知っておくことで、お子さん自身が少し立ち止まって考えることができるようになります。
- 【保護者ができる対策】 スマートフォンなどの設定で、ストアでの購入にパスワードが必須になるようにしたり、お子さんの年齢に合わせて購入できる金額に上限を設けたりする機能(ペアレンタルコントロールやファミリー共有設定など)を活用することも有効です。
ルール案2:アプリのダウンロードに関するルール
- 【具体的なルール】「アプリを入れるときは、おうちの人に相談する」
- 新しいアプリをダウンロードしたい時は、ゲームであっても勉強に役立つアプリであっても、必ず保護者に「このアプリ入れていい?」と相談してから行うように決めましょう。
- 【なぜ必要?】 保護者がアプリの情報を確認することで、不審なアプリでないか、お子さんにとって適切かなどを判断できます。また、アプリがどのような情報(位置情報、写真、連絡先など)を使っても良いか許可を求められる際に、親子で一緒に確認することができます。
- 【具体的なルール】「変だな、おかしいなと思ったら、勝手に進めないで相談する」
- SNSを見ている時やアプリを使っている時に、「急に画面が変わった」「変な警告が出た」「見たことがない画面が出た」など、いつもと違う、何かおかしいと感じたら、勝手にボタンを押したり、次に進んだりせず、すぐに保護者に画面を見せて相談するように決めましょう。
- 【なぜ必要?】 不審な画面は、ウイルスに感染したように見せかけて不安を煽ったり、個人情報を入力させようとしたりする詐欺かもしれません。お子さん一人で判断せず、すぐに相談することで、危険を回避できます。
ルール案3:インターネットの情報に関するルール
- 【具体的なルール】「SNSで見つけたサイトやアプリは、すぐに信用しない」
- SNSで「簡単に儲かる方法!」「このサイトに登録すると特別なプレゼント!」など、魅力的すぎる情報を見ても、すぐに信じたりクリックしたりしないように伝えます。「そんなうまい話はないことが多い」「怪しいかも?」と考えるように促します。
- 【なぜ必要?】 SNSには、お子さんを騙そうとする悪意のある情報や、危険なサイトへ誘導する広告などが紛れていることがあります。インターネット上の情報すべてを鵜呑みにしない、という心構えを持つことが大切です。
- 【具体的なルール】「友達から送られてきたリンクやファイルも、注意が必要だと知っておく」
- 仲の良い友達から送られてきたものでも、その友達のアカウントが乗っ取られていたり、友達自身が悪意なく危険なものを広めてしまっていたりすることがあります。「友達だから安全」とは限らないことを伝えます。
- 【なぜ必要? 知っている人からの情報でも、一度立ち止まって考える習慣をつけることが、トラブル回避につながります。もし不安なら、送ってきた友達本人に「これ本当に大丈夫?」と別の方法(電話など)で確認してみる、といった具体的な行動も考えられます。
ルール作りのポイント:一方的に決めず、一緒に考える
これらのルールは、保護者の方が一方的に決めてお子さんに押し付けるのではなく、なぜこのルールが必要なのか、どんな危険があるのかを、お子さんにも分かる言葉で丁寧に説明し、一緒に話し合いながら決めることが大切です。
お子さんが「自分を守るために必要なことなんだ」と理解し、「このルールなら守れそうだ」と思えるように、お子さんの意見も聞きながら進めましょう。難しければ、まずは「これだけは守ってほしいこと」を絞って決めることから始めるのも良いでしょう。
そして、一度決めたルールは、壁に貼っておくなど、いつでも家族みんなが見えるようにしておくと、意識しやすくなります。お子さんがルールを守れた時は褒めてあげたり、もしルールを破ってしまっても、頭ごなしに叱るのではなく、「どうすれば次は守れるかな?」と一緒に考えたりすることが大切です。
まとめ:安心してSNSを利用するために
SNSから始まる「うっかり課金」や「不審なアプリ」の危険は、事前にお子さんと一緒に学び、家庭でルールを決めておくことで、大きく減らすことができます。大切なのは、保護者の方が一人で抱え込まず、お子さんと一緒に向き合うことです。
今回ご紹介したルール案を参考に、ぜひお子さんと話し合って、ご家庭に合った「安心ルール」を作ってみてください。もし話し合いが難しく感じたり、どのように伝えれば良いか迷ったりする場合は、このサイトの他の記事でも、親子での話し合い方やルールの伝え方について解説していますので、そちらも参考にしていただければと思います。
お子さんが安心してSNSを利用できるよう、保護者の方の穏やかなサポートが一番の力になります。