これで安心!子供のSNS「つらい言葉」から守る 家庭でできるいじめ・誹謗中傷対策ルール
お子さまがSNSを利用し始めるにあたり、親としてさまざまな心配があることと思います。特に、インターネット上で見聞きする「SNSでの言葉のトラブル」は、お子さまの心に大きな傷をつける可能性があるため、非常に不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このサイトでは、ITに詳しくない保護者の方でも安心して、ご家庭に合ったSNS利用ルールを作成できるよう、具体的なステップでご紹介しています。今回の記事では、SNSでのお子さまが「つらい言葉」に傷ついたり、逆にうっかり誰かを傷つけたりしないように、家庭で話し合っておきたい「いじめや誹謗中傷」に関わるルール作りについて、分かりやすくご説明します。
なぜ今、SNSでの「つらい言葉」について家庭で話す必要があるのか
SNSは、友達と楽しく交流したり、自分の好きなことを発信したりできる便利な道具です。しかし、匿名で心ない言葉を書き込んだり、特定の誰かを攻撃したりすることが、残念ながら起きています。
インターネット上での言葉は、一度発信されるとあっという間に多くの人に見られてしまうことがあります。また、顔が見えない相手に対して、つい普段なら言わないようなきつい言葉を使ってしまう人もいます。このような「つらい言葉」による攻撃は、受け取ったお子さまの心を深く傷つけ、学校に行けなくなったり、何もやる気が起きなくなったりするなど、深刻な影響を与える可能性があります。
お子さまがこのような被害者にならないため、そして加害者にならないためにも、事前に家庭で「SNSでの言葉の使い方」について話し合い、具体的なルールを決めておくことが大切なのです。ルールは、お子さまを危険から守り、安心してSNSを利用するための道しるべとなります。
家庭で話し合いたい「つらい言葉」に関するルールのポイント
では、具体的にどのようなことを話し合い、ルールにすれば良いのでしょうか。難しく考える必要はありません。普段の生活で大切にしている「人を思いやる気持ち」を、SNSの世界でも忘れずにいるためにどうすれば良いか、という視点で考えてみましょう。
ポイント1:どんな言葉が「つらい言葉」になるかを具体的に話し合う
「人を傷つけない」というルールは抽象的で、お子さまには分かりにくいかもしれません。そこで、具体的に「どんな言葉が相手を傷つける可能性があるか」を一緒に考えてみましょう。
- 容姿や性格をからかう言葉
- 学校での出来事など、個人的な秘密をばらすこと
- 悪口や陰口を他の人に見えるように書き込むこと
- 嘘の情報を広めること
- 特定の誰かを仲間外れにするような呼びかけ
- 「死ね」「消えろ」など、強い否定的な言葉
こうした例を挙げながら、「もし自分が言われたらどう感じるかな?」とお子さまに問いかけてみてください。SNSの画面上では相手の表情が見えませんが、その向こうには傷つく心があることを想像する練習になります。
ポイント2:匿名でも「言ったこと」には責任が伴うことを伝える
SNSにはニックネームを使ったり、顔写真を出さずに利用したりできるものがあります。そのため、「誰だか分からないから大丈夫」と思って、普段言えないような心ない言葉を書き込んでしまう人がいます。
しかし、インターネット上の情報は完全に匿名であるとは限りません。また、誰かを深く傷つける言葉は、たとえ匿名であったとしても、決して許されることではないとしっかり伝えましょう。「誰が見ているか分からない」「一度書き込んだら消せないかもしれない」という意識を持つことが重要です。
ポイント3:「カッとなったらすぐに返信しない」など、具体的な行動ルールを決める
SNSでの言葉のトラブルは、感情的になってすぐに反応してしまうことからエスカレートすることがあります。
そこで、SNSで嫌なことを見たり言われたりして「カッとなった」「悲しくなった」時には、すぐに返信せず、一度深呼吸をしたり、時間を置いたりする、というルールを決めるのも良いでしょう。
- 嫌なコメントを見たら、すぐに返信せず、一度画面を閉じる
- 友達とのやり取りで意見が合わなくても、感情的な言葉は使わない
- 何か書き込む前に、「これは他の人が見ても大丈夫かな?」「誰かを不快にさせないかな?」と一度考えてみる
こうした具体的な行動をルールとして決めておくと、トラブルを未然に防ぐことにつながります。
ポイント4:もし「つらい言葉」を見たり、自分が言われたりしたらどうするかを決める
残念ながら、どんなに注意していても、SNSで「つらい言葉」に遭遇してしまう可能性はゼロではありません。万が一の時のために、事前に「どう対処するか」のルールを決めておくことが、お子さまの安心につながります。
- すぐに親に相談する: これが最も重要なルールです。「どんなことでもお父さん、お母さんに話してね」と日頃から伝え、お子さまが安心して相談できる関係を作っておきましょう。
- 証拠を残す: 嫌なメッセージや書き込みがあった場合、すぐに消さずに「スクリーンショット」という機能を使って画面を保存する方法を教えておきましょう。(※スクリーンショットの方法はスマートフォンの機種によって異なりますが、基本的には電源ボタンと音量ボタンの同時押しなどです。難しければ「画面を写真に撮っておく」など、具体的な方法を一緒に確認しておくと良いでしょう。)
- 返信しない、関わらない: 相手にしないことが、エスカレートを防ぐために有効な場合があります。
- ブロック機能を使う: 相手からの連絡を絶つための機能があることを伝え、使い方を教えておきましょう。
お子さまが一人で抱え込まず、「困ったらまず相談する」という行動をとれるように、このルールは特に繰り返し確認しておきましょう。
家庭での話し合いのポイント
これらのルールは、一方的に親が決めつけるのではなく、お子さまと一緒に話し合って作るのが理想です。お子さまの意見にも耳を傾け、「なぜこのルールが必要なのか」を丁寧に説明してください。「お父さん、お母さんはあなたがSNSを安全に楽しんでほしいんだよ」という気持ちを伝えることが大切です。
もし、お子さまがSNSで「つらい言葉」の被害に遭ってしまった場合は、決して責めたり慌てたりせず、お子さまの気持ちに寄り添い、「辛かったね、よく話してくれたね」と受け止めてあげてください。そして、一緒に対応を考えましょう。必要であれば、学校や専門機関にも相談することも考えてみましょう。
まとめ:安心のために、言葉のルールを家庭で育てよう
SNSでのいじめや誹謗中傷は、お子さまの心を傷つける見えない危険です。しかし、事前にご家庭で話し合い、具体的なルールを決めておくことで、多くの場合、そのリスクを減らし、万が一の時にも適切に対応できるようになります。
「どんな言葉が相手を傷つけるか」「匿名でも責任があること」「感情的にならないための工夫」「困ったらすぐに相談すること」。これらのポイントを参考に、ぜひお子さまと一緒に、ご家庭ならではの「言葉のルール」を作ってみてください。このルール作りが、お子さまがSNSを安心安全に楽しむための一歩となることを願っています。