【これで安心】子供のSNS『友達とのやり取り』で大切なこと:相手を思いやるマナーのルール作り
SNSは、お子様にとって友達との絆を深める楽しい場所である一方で、顔が見えないやり取りだからこそ、ちょっとしたことで誤解が生じ、友達関係にひびが入ってしまうこともあります。保護者の皆様は、「うちの子が、SNSで知らず知らずのうちに誰かを傷つけていないだろうか」「言葉遣いでトラブルにならないか」といった不安をお持ちかもしれません。
このコラムでは、お子様がSNSで友達と気持ちよく交流するために、家庭で話し合っておきたい「相手を思いやるマナー」のルール作りについて、具体的なステップでご紹介します。
なぜ「相手を思いやるルール」が必要なのでしょうか
SNSでのやり取りは、文字だけのコミュニケーションが中心です。そのため、普段の会話とは違い、声のトーンや表情、しぐさといった「言葉以外の情報」が伝わりません。
たとえば、冗談のつもりで送ったメッセージでも、相手には真剣な悪口に受け取られてしまうことがあります。また、返信が遅い、特定の友達の投稿にだけ反応しないといった行動が、相手に「自分は大切にされていない」という誤解を与えてしまうこともあります。
このような誤解が積み重なると、せっかくの友情が壊れてしまったり、いじめの原因になってしまったりする可能性も考えられます。お子様がSNSを安心して、そして楽しく利用し、友達と良い関係を築き続けるために、「相手を思いやるマナー」を家庭で話し合い、ルールとして明確にすることが大切なのです。
具体的にどんな「思いやり」をルールにするか
では、具体的にどのような「思いやり」を行動のルールとして決めていけばよいのでしょうか。いくつか例を挙げてご紹介します。
1. 相手を傷つけない「言葉遣い」のルール
SNSでの言葉は、一度発信すると多くの人の目に触れ、消えずに残ることがあります。軽い気持ちで使った言葉でも、相手を深く傷つけたり、誤解を与えたりすることがあります。
- 具体例:
- 「相手が嫌がる言葉や、傷つく言葉は使わない」
- 「冗談でも、悪口やからかいの言葉は書き込まない」
- 「誰かの悪口や秘密を、SNSに書かない」
- 「相手の気持ちを想像してから、メッセージを送る」
2. メッセージの「返信」に関するマナー
SNSでは、メッセージを送ると相手が読んだことがわかる「既読」という機能があるアプリが多くあります。「既読」が付いたのに返信がないことを、「既読スルー」と呼び、気にしたり、不快に感じたりする人もいます。
- 具体例:
- 「メッセージが来たら、できるだけ早めに返信する」
- 「すぐに返信できない場合は、『今、手が離せないから後で連絡するね』など、一言メッセージを送る」
- 「既読スルーされても、すぐに何度もメッセージを送って返事を催促しない。相手にも事情があることを理解する」
3. グループチャットでの「みんなへの配慮」
グループチャットは、複数の友達と同時にやり取りができる便利な機能です。しかし、大人数だからこそ、一部の人が疎外感を感じたり、話についていけなくなったりすることもあります。
- 具体例:
- 「特定の友達だけと内緒の話をしない。みんなが参加できる話題を選ぶ」
- 「自分ばかりが話しすぎず、他の人の意見も聞くようにする」
- 「他の子が話している途中で、話を遮るような発言をしない」
4. 投稿内容に関する「配慮」
写真や動画を投稿する際も、写っている友達の気持ちを考えることが大切です。
- 具体例:
- 「友達の顔がはっきりと写っている写真や動画を投稿する際は、必ず本人に『投稿してもいいか』確認する」
- 「友達のプライベートな情報(家の場所、内緒の話など)がわかるような内容を投稿しない」
- 「特定の友達だけを仲間外れにするような内容の投稿はしない」
家庭でのルール作りのステップ
お子様がこれらの「思いやり」を身につけるためには、保護者の方から一方的に教えるのではなく、お子様と一緒に話し合い、納得してルールを作ることが大切です。
ステップ1: 「もし、こんな時だったら?」と具体例を出す
お子様に「もし、こんなメッセージが来たらどう思う?」や「こんな写真が投稿されていたら、どんな気持ちになる?」といった具体的な状況を投げかけてみましょう。お子様自身の経験や感情に結びつけることで、より深く考えるきっかけになります。
ステップ2: お子様の意見を聞く
「どうすれば、みんなが気持ちよくSNSを使えると思う?」と、お子様自身の考えや意見を聞いてみましょう。お子様が普段SNSで感じていることや、友達とのやり取りで困っていることがあれば、それを解決するルールを一緒に考えることができます。
ステップ3: ルールをシンプルにまとめる
話し合った内容は、お子様でも理解しやすい、シンプルで分かりやすい言葉でまとめましょう。箇条書きにしたり、短く具体的な表現にしたりすると、より実践しやすくなります。
ステップ4: 定期的に見直す機会を作る
SNSのトレンドは常に変化しますし、お子様の成長とともに友達関係も変化していきます。一度決めたルールも、定期的に見直す機会を設けましょう。たとえば、月に一度、家族でSNSについて話す時間を作るなど、無理のない範囲で継続することが大切です。
まとめ
SNSは、お子様が社会性を育む大切なツールでもあります。しかし、顔が見えないやり取りだからこそ、相手への配慮やマナーがより一層求められます。
「相手を思いやるマナー」のルール作りは、お子様がSNSを安全に、そして友達とより良い関係を築きながら楽しむための大切な土台となります。ぜひ、このコラムを参考に、ご家庭で話し合いの機会を設け、お子様と一緒に「思いやりのルール」を作ってみてください。保護者の方とお子様が、SNSを通じてより豊かな人間関係を育めるよう、心より願っております。