一度決めたSNSルール、いつ見直す? 子供の成長段階に合わせた見直しのポイント
はじめに:一度作ったルール、そのままにしていませんか?
お子さんがSNSを使い始めたとき、きっと様々な不安を感じながら、一生懸命ご家庭のSNSルールを作られたことと思います。時間をかけて、お子さんと話し合って決めた大切なルール。これで一安心、と思われているかもしれません。
もちろん、ルール作りをされたことは素晴らしい第一歩です。しかし、お子さんは日々成長されます。そして、SNSの世界も常に変化しています。一度決めたルールが、いつまでもそのままお子さんに合っているとは限りません。
例えば、小さなお子さんが使うゲーム機でのSNSと、中学生や高校生が使うスマートフォンのSNSでは、できることや関わる人も大きく変わってきます。お子さんの成長に合わせて、ルールも「見直し」ていくことが大切なのです。
このページでは、なぜSNSルールの見直しが必要なのか、そしていつ、どのように見直せば良いのかについて、分かりやすくご説明します。難しく考える必要はありません。お子さんの安全を守りながら、成長に合わせて安心できる利用を続けるためのヒントとして、ぜひお読みください。
なぜSNSルールの見直しが必要なのでしょうか?
ルール作りの時と同じように、「なぜ?」から考えてみましょう。見直しが必要な理由は主に二つあります。
理由1:お子さん自身が成長するから
お子さんは、学年が進むにつれて、理解できること、自分で判断できることが増えていきます。
- 興味や関心の変化: 小学生の頃は興味がなかったことにも関心を持つようになり、それに伴って使うSNSの種類や利用目的が変わることがあります。
- 交友関係の変化: クラスのお友達だけでなく、部活動や趣味で知り合った人、インターネットを通じて知り合う人など、関わる人が増え、コミュニケーションの方法も変化します。
- 自己管理能力の変化: 時間の使い方や、情報の受け止め方など、自分で考えて行動できる範囲が広がっていきます。
以前のルールが、成長したお子さんにとって窮屈すぎたり、逆に不十分になったりすることがあります。
理由2:SNSやインターネットの世界が変化するから
私たちが使うSNSの機能は、常に新しくなっています。新しいアプリが出てきたり、今までなかった危険な使い方が生まれたりすることもあります。
- 新しい機能の追加: ライブ配信、位置情報共有、決済機能など、新しい機能が追加され、それに伴う注意点も増えることがあります。
- 新しいSNSの登場: 今まで使っていなかったSNSをお友達が使い始めたり、流行したりすることもあります。それぞれのSNSには、特有の危険性や注意点があります。
- インターネット上の危険性の変化: 個人情報の悪用、詐欺、不正確な情報の拡散など、危険な手口は巧妙になり、常に変化しています。
これらの変化に対応するためには、一度作ったルールを最新の状態に合わせて見直すことが大切です。
SNSルールを見直す「いつ」の目安
では、具体的にいつ頃ルールを見直せば良いのでしょうか。決まったタイミングはありませんが、いくつかの目安となる時期があります。
- 進級・進学のタイミング: 新しい環境になるこの時期は、お子さんの生活リズムや交友関係が大きく変わります。SNSの使い方も自然と変化しやすい時期なので、ルールを見直す良い機会です。
- 新しいSNSやアプリを使い始める時: お子さんが「これを使ってみたい」と新しいSNSやアプリに興味を持った時は、その特徴や危険性について一緒に調べ、ルールに加えるべきか話し合う絶好の機会です。
- スマートフォンを持たせる時: これは大きな変化のタイミングです。スマートフォンは家の中だけでなく、外でも常にインターネットに繋がります。以前のルールを全面的に見直す必要があるでしょう。
- お子さんからルールの変更をお願いされた時: お子さんが「このルールを変えてほしいな」と言ってきたら、それは成長のサインかもしれません。頭ごなしに否定せず、なぜそう思うのか理由を聞いてみましょう。
- 何か問題が起こった時: SNSの使い方でトラブルがあったり、お子さんが困ったりした時は、その原因を話し合い、再発防止のためにルールを見直す必要があります。
お子さんの様子やご家庭の状況に合わせて、これらの目安を参考に、数年に一度、あるいは半年に一度など、定期的な見直しを計画するのも良い方法です。
どのように見直す? 子供との話し合いがポイント
見直しは、ルール作りの時と同じように、一方的に親が決めるのではなく、お子さんと一緒に話し合いながら進めることが大切です。
ステップ1:前回のルールを振り返る
まず、以前作ったルールを一緒に見返してみましょう。
- 「前はこんなルールを決めたね」と、どんなルールだったか思い出します。
- 「このルールは守れたかな?」「守れなかったのはなぜかな?」と、お子さんと一緒に振り返ります。
- 「このルールは今の私たちに合っているかな?」と考えてみます。
うまくいかなかった点があっても、お子さんを責めるのではなく、「次はどうすればうまくいくかな?」と一緒に考える姿勢が大切です。
ステップ2:お子さんの「今」と「これから」を聞く
お子さんが今、SNSをどのように使っているのか、そしてこれからどのように使いたいのか、耳を傾けてみましょう。
- 「最近、どんなSNSを使っているの?」「どんなことをしているの?」と、興味を持って尋ねてみます。
- 「これから、SNSでこんなことがしてみたい」というお子さんの希望や、SNSに対する考えを聞いてみましょう。
- お子さんがSNSを使っていて困っていることや、嫌だったことがないか、話しやすい雰囲気を作って聞いてみます。
お子さんの意見を尊重する姿勢を示すことで、より本音で話しやすくなります。
ステップ3:新しいルールを一緒に考える
振り返りと話し合いを踏まえて、新しいルールを一緒に考えます。
- 以前のルールを「続けるもの」「変えるもの」「新しく加えるもの」「なくすもの」に分けて整理してみましょう。
- 例えば、利用時間、使うSNSの種類、投稿する内容、友達申請のルール、個人情報の公開範囲など、具体的な項目について話し合います。
- お子さんの成長に合わせて、以前より少し自由にする部分があっても良いかもしれません。ただし、安全に関わる部分はしっかりと話し合う必要があります。
- 「なぜこのルールが必要なのか」を、お子さんが理解できるように、分かりやすい言葉で説明します。
話し合いの中で意見が合わないこともあるかもしれません。その時は、すぐに決めようとせず、一度時間を置いて改めて話し合うなど、お互いが納得できるまで根気強く対話を続けることが大切です。
ステップ4:見直したルールを確認し、記録する
話し合いで決まった新しいルールを、分かりやすい言葉で確認し、以前のルールと同じように紙に書いたり、家族で共有できる場所に記録したりしましょう。
記録することで、家族みんなが新しいルールを意識することができます。
成長段階別の見直しポイント例
お子さんの成長段階によって、特に注意したいポイントが変わってきます。あくまで一般的な例ですが、見直しの参考にしてみてください。
- 小学生(高学年)〜中学生になる頃:
- ゲーム機や保護者のスマホから、自分専用のスマートフォンを持つようになるお子さんが増えます。いつでもどこでもネットに繋がる環境になるため、夜間の利用時間や、歩きスマホの禁止など、より詳細なルールが必要になる場合があります。
- 友達との個人的なやり取りが増え、グループチャットに参加することもあるでしょう。悪口や仲間外れといったネットいじめのリスクについても話し合う必要があります。
- 自分の顔写真や個人情報をネットに載せることの危険性について、具体的に教える必要があります。
- 中学生〜高校生になる頃:
- 行動範囲が広がり、ネットを通じて知り合った人と直接会うことの危険性について、改めて話し合う必要があります。
- SNSでの発言が、将来の評価に影響する可能性があること(炎上リスクなど)を理解させる必要があります。
- お金に関わるトラブル(オンラインゲームの課金、怪しいもうけ話など)に巻き込まれないよう注意を促す必要があります。
- お子さんにある程度任せる部分を増やしつつ、困った時にはいつでも相談できる関係を保つことが大切です。
これらのポイントはあくまで例です。最も大切なのは、お子さんの個性や状況、ご家庭の考え方に合わせて、オリジナブルールを見直すことです。
まとめ:見直しは「絆」を深めるチャンス
SNSルールの見直しは、少し手間がかかるように思えるかもしれません。しかし、これはお子さんの成長を喜び、関心を持ち、「どんなことに困るかな?」「どうすれば安心して使えるかな?」と寄り添いながら、一緒に解決策を考える大切な機会です。
見直しを通じて、お子さんは「親は自分のことを気にかけてくれている」「困った時には相談できる」と感じ、親子の信頼関係がより深まるでしょう。
一度決めたルールも、時代の変化とお子さんの成長に合わせて、柔軟に見直していくことが、お子さんを危険から守り、健やかな成長をサポートするために非常に重要です。難しく考えず、「年に一度は家族でSNSの使い方について話し合う日を設けよう」といったように、気軽に始めてみてはいかがでしょうか。
この情報が、ご家庭のSNSルールを見直すきっかけとなり、少しでも安心に繋がれば幸いです。