これで安心!SNSで『正しい?変?』情報を判断する家庭ルールの作り方ステップ
はじめに:SNSの情報、何を信じたら良いの?
お子さんがSNSを利用し始めると、保護者の方は様々なご心配をされると思います。その一つに、「SNSで流れてくるたくさんの情報の中で、何が本当で何がうそなのか、うちの子は判断できるのだろうか?」という不安があるかもしれません。
SNSには、友達の何気ない投稿だけでなく、ニュースのようなもの、面白そうな広告、あるいは誰かの意見やうわさなど、様々な情報が流れてきます。中には、人をだまそうとするような情報や、間違った情報(いわゆる「デマ」や「フェイクニュース」と呼ばれるもの)が混じっていることもあります。
ITの難しいことは分からなくても大丈夫です。大切なのは、こうした情報に惑わされず、お子さん自身が「これは本当かな?」「ちょっと変だな」と立ち止まって考えられるようになることです。そのための力を育むために、家庭でできる「情報判断のルール」について、一緒に考えていきましょう。
なぜSNSの情報判断ルールが必要なのでしょうか?
SNSで流れてくる情報すべてを鵜呑みにしてしまうと、いくつかの危険につながる可能性があります。
- だまされてしまう: 「無料プレゼント!」といった広告や、「有名人がこう言っていた」といううその情報に信じてしまい、個人情報を教えてしまったり、お金を払ってしまったりするケースがあります。
- 間違った情報を広めてしまう: うわさや根拠のない情報を正しいと思って友達に伝えてしまい、混乱や誤解を招くことがあります。
- 心が傷つく: 他人の誹謗中傷や、根拠のない批判など、悪意のある情報に触れて、嫌な気持ちになったり、心を痛めたりすることがあります。
- 人間関係のトラブル: SNSでの発言や情報に対して、正しいかどうかわからないまま反応したり、安易に信じたりすることで、友達との関係が悪くなってしまうこともあります。
このような危険からお子さんを守り、SNSを安全に、そして自分らしく使うためには、情報とどう向き合うかというルールを決めておくことが役立ちます。
家庭で話し合いたい「情報判断」のポイント
お子さんと一緒に情報判断のルールを作るために、まずはどんなことに気をつければ良いか、いくつかポイントを見ていきましょう。
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「誰が言っている情報かな?」と考える
- SNSの情報は、テレビのニュースのように情報源がはっきりしないことがあります。友達からの情報でも、その友達がどこでその話を聞いたのか、元々の情報が何なのかを考えてみることが大切です。
- 「この情報は、信頼できる人が言っているのかな?」「初めて見る人からの情報だけど、本当かな?」という視点を持つことについて話してみましょう。
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「他の情報と比べてみよう」と考える
- SNSで流れてきた一つの情報だけを信じるのではなく、他の場所でも同じような情報があるか、確認してみることが大切です。
- 例えば、学校の先生が言っていたことと違うな、家族が知っていることと違うな、と感じたら、一度立ち止まることについて話してみましょう。
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「本当かな?と立ち止まって考えてみよう」と考える
- 面白そうな話や、ちょっと信じられないような話が流れてきた時、すぐに「すごい!」と飛びつくのではなく、「これって本当のことなのかな?」と一度立ち止まって考える習慣をつけることが重要です。
- 「あまりにも都合の良い話には裏があるかもしれない」「人の悪口やうわさは、本当かどうか分からない」ということについて、例を挙げながら話してみるのも良いかもしれません。
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「自分の気持ちに気づこう」と考える
- SNSの情報の中には、わざと誰かを怒らせたり、悲しませたりするようなものや、不安を煽るようなものもあります。
- 情報を見て「嫌な気持ちになった」「なんだか怖いな」と感じたら、それは注意が必要な情報かもしれません。「変な気持ちになったら、いったんその情報から離れてみる」というルールも大切です。
具体的なルール作りのステップ
これらのポイントを踏まえて、お子さんと一緒に情報判断のルールを作っていきましょう。
ステップ1:なぜこのルールが必要なのか、もう一度話す 「だまされたり、嫌な気持ちになったりしないために、SNSで見た情報について、ちょっとだけ立ち止まって考えてみようね」というように、お子さんにとって分かりやすい言葉で、ルールを作る理由を伝えます。怖い話をしすぎるのではなく、お子さんの安全を守るための前向きな理由として話しましょう。
ステップ2:どんな情報に注意が必要か、一緒に考える 先ほど挙げたポイント(情報源、他の情報との比較、立ち止まって考える、自分の気持ち)を参考にしながら、「どんな情報を見たら、ちょっと気をつけた方が良いかな?」と、お子さんに尋ねてみてください。 例えば、 * 「すごくラッキーな話」(簡単に儲かる、無料でもらえるなど) * 「人のうわさ話や悪口」 * 「誰かが困っているという、すごく悲しい話」(本当か分からない募金のお願いなど) * 「クリックして!」と強く誘導するようなもの など、お子さん自身が「これは怪しいかも」と感じる情報の例を挙げてもらうのも良いでしょう。
ステップ3:『うちの子ルール』を具体的に決める 注意が必要な情報について話し合ったら、具体的にどうするかを決めます。いくつかルール例を挙げますが、お子さんの年齢や理解度に合わせて、無理のない範囲で決めましょう。
- ルール例1:「変だな、と思ったら親に相談する」
- 一人で判断が難しい時は、まずはお家の人に話してみる、というシンプルなルールです。これが最も重要かもしれません。「こんなこと聞いたら笑われるかな?」と思わずに、気軽に聞ける雰囲気を作ることが大切です。
- ルール例2:「誰かに広める前に一度立ち止まる」
- 面白い情報や、友達に早く教えたい情報でも、それが本当かどうかわからない場合は、他の人に伝える前に少し時間をおいたり、確認したりすることにします。
- ルール例3:「情報源がはっきりしない話は、信じすぎない」
- 「〜らしいよ」「友達の友達が言ってた」というような、誰が最初に言ったのか分からない話は、完全に信じ込まず、「そういう話もあるんだな」くらいに受け止めることにします。
- ルール例4:「広告や『ここをクリック』には気をつける」
- 特にゲームの誘いのようなものや、「当たりました!」といった表示には、安易にクリックしたり、個人情報を入力したりしないことを決めます。
いくつかのルールを決めたら、書き出すなどして、家族みんなが見える場所に貼っておくと忘れにくいです。
ステップ4:ルールは完璧でなくて良いと理解する 情報判断のルールは、一度決めたら終わりではありません。お子さんの成長に合わせて、また新しい情報が出てきたら、ルールを見直したり、新しく追加したりすることが大切です。完璧を目指すのではなく、少しずつ「情報を見分ける力」を育んでいく過程として捉えましょう。
まとめ:判断力はすぐに身につくものではありません
SNSで流れてくる情報について、何が正しくて何が違うのかを見分ける力は、すぐに身につくものではありません。私たち大人でも難しいと感じることがあります。
大切なのは、お子さんを頭ごなしに𠮟りつけたり、SNSの利用を一方的に禁止したりするのではなく、「こういう情報には気をつけてね」「もし分からない情報を見たら、いつでも聞いてね」と、繰り返し優しく声をかけてあげることです。
お子さんが「これって本当なの?」と聞いてきてくれた時は、一緒に情報を確認したり、「こういう時は、どこで調べたらいいかな?」と一緒に考えてみたりするチャンスです。
家庭で決めた情報判断のルールが、お子さんがSNSの世界で、安全に、そして賢く楽しむための助けとなることを願っています。