【これで安心】子供が「そうか!」と納得するSNSルールの伝え方:一方的にならない話し方のヒント
お子さんのSNS利用が始まるにあたり、家庭でルールを決めることは非常に大切です。しかし、せっかくルールを決めても、お子さんがその理由を理解できず、納得できないままでは、ルールを守ることが難しくなる場合があります。
保護者の方が一方的に「これはダメ」「あれはダメ」と伝えてしまうと、お子さんは反発したり、隠れて使ったりしてしまう可能性もあります。では、どうすればお子さんが「そうか、そのルールは自分にとって必要なんだな」と納得し、進んでルールを守ってくれるようになるのでしょうか。
この章では、お子さんがSNSルールに納得するための、一方的にならない具体的な伝え方のヒントをご紹介します。
なぜ「納得」が大切なのか
お子さんがルールを守る時、それは「怖いから」「怒られたくないから」といった理由からではなく、「自分にとってそれが一番良い選択だ」と理解している状態が理想です。
SNSの世界には、楽しいこともたくさんありますが、同時に様々な危険も潜んでいます。お子さんがその危険をぼんやりとしか理解していないままルールに従うのと、具体的に「こんなことがあるかもしれないから、このルールがあるんだな」と理解しているのとでは、危ない場面に出くわした時の判断力や対応が大きく変わってきます。
ルールを単なる「禁止事項」としてではなく、「自分を守るための知恵」として受け止めてもらうためには、お子さんが納得できる理由を伝えることが重要なのです。
ステップ1:保護者自身がルールの「なぜ」を整理する
お子さんにルールの必要性を伝える前に、まずは保護者の方が、なぜそのルールが必要なのかを改めて整理してみましょう。
例えば、「夜○時以降はSNSを使わない」というルールを決めたとします。その理由は単に「夜更かししてほしくないから」でしょうか? それとも、「寝る前に強い光を見ると眠れなくなる」「遅い時間に知らない人と繋がるのは危険が増す」「勉強や睡眠の時間を確保するため」といった、より具体的な理由があるでしょうか。
お子さんの年齢や性格、家庭環境によって、ルールの背景にある理由は様々です。お子さんに説明する言葉が見つからない場合は、漠然とした不安があるのかもしれません。具体的なリスクについて、このサイトの他の記事なども参考にしながら、どのような危険があり、なぜそのルールが有効なのかを、保護者自身が納得できるまで考えてみましょう。
ステップ2:お子さんの「なぜ?」に耳を傾ける姿勢を持つ
お子さんは、保護者の方に一方的にルールを伝えられると、「どうして?」「みんなはいいのに!」といった疑問や反発を感じるかもしれません。そこで大切なのは、頭ごなしに否定せず、まずはお子さんの気持ちや疑問に耳を傾ける姿勢を持つことです。
「どうしてそのルールが嫌なの?」「どんな点が納得できないの?」と優しく問いかけてみましょう。お子さんがSNSをどのように楽しんでいるのか、友達との間でどのようなやり取りがあるのかを聞くことも、お子さんの立場を理解するために役立ちます。
保護者が一方的に話すのではなく、お子さんが話せる時間を作り、「聞く」ことから始めることで、対話の扉が開かれます。
ステップ3:ルールの理由を「お子さんの視点」に合わせて伝える
保護者が整理したルールの「なぜ」を、お子さんに分かりやすい言葉で伝えましょう。ここでのポイントは、お子さんの年齢や理解力に合わせて説明することです。
- 抽象的な危険よりも、具体的な想像しやすい例えを: 「インターネットには悪い人がいる」と漠然と言うよりも、「もし、知らない人と個人的なやり取りをして、会うことになったら、どんな危ないことがあると思う?」のように、お子さんが少し考えて想像できるような形で問いかける方が、現実味を持って受け止められやすくなります。ただし、不安を過剰にあおるような言い方は避けましょう。
- お子さんの「利点」に繋がるように: ルールを守ることでお子さん自身が得られるメリットを伝えるのも効果的です。「夜早く寝ると、次の日学校で元気に過ごせるよね」「変なトラブルに巻き込まれないようにすると、SNSを嫌な気持ちにならずに楽しく続けられるよ」といったように、お子さんの生活や気持ちにとっての良い点を伝えましょう。
- 専門用語は使わない: 「個人情報が漏洩すると」といった難しい言葉ではなく、「あなたの名前や住んでいる場所が、知らない人に勝手に知られちゃうと、どんな嫌なことがあるかな?」のように、具体的で日常的な言葉に置き換えて説明します。
- 「〜してはいけない」ではなく、「〜すると、こんな心配がある」と伝える: 「夜遅くまでSNSをしてはいけません」と言う代わりに、「夜遅くまでスマホの画面を見ていると、脳が興奮して眠れなくなったり、目が疲れたりすることがあるみたいだよ。明日の朝、スッキリ起きられないと辛いよね?」のように、行動の結果起こりうることを穏やかに伝えます。そして、「どうすれば大丈夫かな?」と、解決策を一緒に探る姿勢を見せましょう。
ステップ4:一方的に決めず、「一緒に考える」姿勢を見せる
ルールを「守らせるもの」ではなく「一緒に作るもの」という意識を持つことも、お子さんの納得に繋がります。
もちろん、お子さんの安全に関わる譲れない線(知らない人に個人情報を教えない、など)はありますが、ルールの詳細については「どうすれば、この心配をなくせるかな?」「あなただったら、どんな方法ならできると思う?」と、お子さんの意見も聞きながら調整してみましょう。
例えば、利用時間について話し合う際に、一方的に「1時間だけ」と決めるのではなく、「学校がある日はこれくらい、お休みの日ならもう少し長くてもいいかな? どんな使い方がしたい?」のように、お子さんの希望も聞きつつ、最終的なルールを一緒に考えます。お子さん自身がルールの決定に関わることで、「自分で決めたこと」という意識が生まれ、責任感を持つことに繋がります。
対話は一度きりではない
お子さんが一度で全てのルールに納得できるとは限りません。また、お子さんの成長やSNSの利用状況によって、ルールの内容や理解度も変化していきます。
家庭でのSNSルールに関する話し合いは、一度行えば終わりというものではありません。定期的にお子さんと話す機会を持ち、「ルールを守ってみてどう?」「困ったことはない?」と尋ねてみましょう。ルールがうまくいかない点があれば、一緒になって改善策を考えることも大切です。
根気強く、お子さんの気持ちに寄り添いながら対話を続けることで、お子さんは保護者の方を信頼し、困ったことがあった時に相談してくれるようになります。これが、何よりもお子さんをSNSの危険から守る力になるのです。
家庭でSNSルールを作成する際には、お子さんが「そうか!」と納得できるよう、今回ご紹介した伝え方のヒントをぜひ活用してみてください。お子さんとの信頼関係を築きながら、安心できるSNS利用を目指しましょう。