【これで安心】子供のSNS、ネットの言葉(スラング)や絵文字、何に注意?誤解や危険を防ぐ家庭ルール
子供たちがSNSで使う言葉や絵文字、時には保護者の方には馴染みのない表現かもしれません。「これ、どういう意味?」「こんな絵文字、何か危険なサインでは?」と、不安に感じることがあるのではないでしょうか。
SNSでのコミュニケーションは、短い言葉や絵文字、時にはインターネットならではの言い回し(スラング)が多く使われます。こうした表現は手軽で便利ですが、使い方を間違えると、思わぬ誤解を招いたり、子供がトラブルに巻き込まれたりするきっかけになることもあります。
このコラムでは、子供たちのSNSでの言葉遣いや絵文字について、保護者の方が知っておきたい注意点と、ご家庭で誤解や危険を防ぐためのルール作りのヒントをお伝えします。難しい専門用語は使いませんので、どうぞご安心ください。
なぜ、ネットの言葉や絵文字に注意が必要なのでしょうか?
子供たちのSNSでの言葉遣いや絵文字が気になるのには理由があります。主に次のような点が、注意しておきたいポイントです。
1. 意図しない誤解やすれ違いが起こりやすい
SNSでは、文字だけのやり取りが中心です。顔が見えないため、声のトーンや表情から相手の気持ちを読み取るのが難しくなります。普段使わないような略語(例えば、「りょ」=了解など)や特定の絵文字(例えば、「w」=笑いを表す表現など)は、意味を知っている人同士なら伝わりますが、知らない人が見ると「どういうことだろう?」と戸惑ったり、場合によってはネガティブな意味に受け取ったりすることがあります。
子供自身は軽い気持ちで使っていても、相手に不快感を与えたり、人間関係のトラブルにつながったりする可能性があります。
2. 危険な誘いやメッセージのサインになっていることも
残念ながら、SNSには子供に近づこうとする悪い意図を持った大人も潜んでいます。そうした人々は、子供たちが普段使っているようなネットの言葉や絵文字を使って巧みに近づいてくることがあります。
例えば、一見普通のメッセージに見えても、特定の絵文字の組み合わせが隠語(仲間内でしか分からない特別な意味を持つ言葉)になっていたり、特定のネットスラングが危険な場所や行為をほのめかすサインになっていたりする場合があります。保護者の方がこうしたサインに気づくことは難しいかもしれませんが、子供が普段と違う言葉遣いをしていたり、特定の絵文字を頻繁に使っていたりする場合、少し注意深く見守るきっかけになります。
3. 個人情報や居場所の手がかりになる表現
「きょう〇〇駅で友達と遊んだ!」といった具体的な場所を特定できる情報はもちろん危険ですが、普段何気なく使う言葉や絵文字、例えば「〇〇高校前集合ね」「いつも△△のマックで勉強してる」といった表現も、特定の場所や時間帯を示す手がかりになることがあります。
また、SNSの名前やプロフィールに、本名の一部や学校名、習い事の名前などが推測できるような言葉や絵文字を使ってしまうことも、個人情報の漏洩につながる可能性があります。子供は「みんな使っているから大丈夫」と思いがちですが、こうした小さな情報が積み重なることで、思わぬ危険につながることもあるのです。
4. いじめや誹謗中傷に使われることも
一部のネットスラングや特定の絵文字は、特定の個人を攻撃したり、仲間外れにしたりするための隠れたメッセージとして使われることがあります。例えば、表向きは楽しそうな絵文字を使っていても、その裏には特定の相手をからかったり、悪口を言ったりする意図が込められているケースです。
子供たちがこうした悪意のあるコミュニケーションに巻き込まれたり、あるいは無意識のうちに加担してしまったりすることを防ぐためにも、SNSでの言葉遣いについて家庭で話し合うことが大切です。
家庭でできる!言葉遣いや絵文字の誤解・危険を防ぐルール作りのステップ
子供がSNSで使う言葉や絵文字について、不安を減らし、安全に使うためのルールを家庭で作る具体的なステップをご紹介します。
ステップ1: 子供がどんな言葉や絵文字を使っているか、まず「知る」ことから
まずは、子供がどんなSNSを使っていて、そこでどんな言葉や絵文字がよく使われているのか、少し関心を持ってみましょう。
「最近、こんな言葉よく見るけど、これどういう意味?」と、子供に聞いてみるのが一番です。子供は親に「分からない」と言われると、少し得意げに教えてくれることもあります。一緒にSNSの流行語について書かれた記事を読んでみたり、子供が使っている絵文字について「これ可愛いね、どんな時に使うの?」と話しかけてみたりするのも良いでしょう。
頭ごなしに「変な言葉を使わないで!」と否定するのではなく、「知りたいな」という姿勢で接することが、子供との会話のきっかけになります。
ステップ2: なぜ注意が必要なのか、具体的な例え話で話してみる
「こんな言葉は使わないで」と一方的に伝えるのではなく、「なぜ、その言葉遣いに注意が必要なのか」を子供が理解できるよう説明しましょう。
例えば、「この略語、学校の友達には通じるかもしれないけど、全然知らない人が見たら『何だろう?』ってびっくりするかもしれないね。誰にでも分かりやすい言葉で伝えた方が、誤解されないで済むこともあるよ。」というように、具体的な状況を想定して話します。
絵文字についても、「この絵文字、Aちゃんには面白いって思われるかもしれないけど、Bちゃんには『馬鹿にされたのかな?』って悲しい気持ちにさせちゃうかもしれない。文字だけだと気持ちが伝わりにくいから、絵文字も相手がどう感じるかな?って考えて使うと、もっと仲良くできるかもね。」といったように、相手の気持ちを想像させるような伝え方が有効です。
危険なサインについては、具体的な隠語を教えるのではなく、「SNSには、優しい言葉で近づいてきて、本当は危ないことをしようとしている人がいるんだよ。もし、何か変だな、怖いな、と思うメッセージが来たら、すぐに教えてほしい。パパやママは味方だから、絶対に一人で抱え込まないでね。」と、相談しやすい雰囲気を作ることが最も重要です。
ステップ3: 家庭で「こんな言葉遣いはやめようね」というルールを決める
子供との話し合いを通じて、家庭で「どんな言葉遣いは気をつけようか」というルールを具体的に決めます。
例えば:
- 相手を傷つける言葉や、からかうような言葉、絵文字は使わない
- 誰が見ても意味が分かる言葉遣いを心がける(特に公開アカウントの場合)
- 個人情報(学校名、習い事、家の場所など)が推測されるような言葉や絵文字は使わない
- 危ないサインかもしれない言葉や絵文字に気づいたら、すぐに保護者に相談する
- 意味が分からない言葉や絵文字を使われたら、無理に返信せず、保護者に相談する
といった項目を、子供と一緒に考えて決めましょう。全てのネットスラングや絵文字をリストアップして規制するのは現実的ではありません。それよりも、基本的な「相手への配慮」や「自分の身を守る」という観点から、大まかな方向性を決めることが大切です。
ステップ4: ルールは一度決めて終わりではなく、時々見直す
子供たちが使うSNSや流行する言葉は常に変化します。一度決めたルールも、子供の成長やSNSの利用状況に合わせて、定期的に見直しましょう。
「最近、SNSで〇〇って言葉をよく見るけど、どんな意味で使ってるの?」「この間のルール、今の使い方に合ってるかな?」などと、子供に尋ねながら、必要に応じてルールを調整していくことで、より実効性のあるものになります。
保護者の方が子供の言葉遣いを理解するために
子供のSNSの言葉遣いを全て把握するのは難しいことかもしれません。しかし、全てを理解しようと気負う必要はありません。大切なのは、「全く分からない」と諦めるのではなく、子供とのコミュニケーションを通じて「知ろうとする姿勢」を持つことです。
- 子供に「これどういう意味?」と素直に聞いてみる
- 子供と一緒に、流行している言葉や絵文字について調べてみる
- 子供が普段どんなSNSで、どんなやり取りをしているのか、関心を持つ
こうした関わりを持つことで、子供は「お父さん・お母さんは、自分のSNSのことを心配してくれているんだな」と感じ、何か困ったことがあった時に相談しやすくなります。
まとめ:安心のために、まずは「知る」ことから
子供のSNSでの言葉遣いや絵文字に不安を感じるのは、決して特別なことではありません。見慣れない表現が多く、何が危険か分かりにくいのは当然のことです。
しかし、必要以上に心配しすぎず、まずは子供がどんな言葉や絵文字を使っているのか「知る」ことから始めてみてください。そして、「なぜ注意が必要なのか」を子供に分かりやすく伝え、家庭でできる簡単なルールを決めていくことが、子供を誤解や危険から守るための一歩となります。
SNSは子供たちにとって大切なコミュニケーションツールです。言葉遣いや絵文字のルールを家庭で話し合うことは、単に規制するだけでなく、相手を思いやる気持ちや、自分の言葉に責任を持つことの大切さを学ぶ良い機会にもなります。
焦らず、お子さんのペースに合わせて、安心できるSNS利用を目指して話し合いを進めていきましょう。