子供のSNS利用、何が心配? 保護者が知っておきたい「困ったこと」の種類 - ルール作りのヒントに
お子様がSNSを使い始めるにあたり、「どんなことに気をつけたら良いのだろう」「何が危険なのかよく分からない」と、漠然とした不安を感じていらっしゃる保護者の方は多いかもしれません。
SNSは、友達との楽しいコミュニケーションや情報収集など、子供たちの世界を広げる便利な道具となり得ますが、同時にいくつかの注意しておきたい点もあります。
家庭でSNSの利用ルールを作ることは、お子様が安心してSNSを使うための大切なステップです。しかし、どんなルールが必要か考える前に、まず「SNSでどんな『困ったこと』が起こりうるのか」を知っておくことが、ルール作りのヒントになります。
この記事では、お子様のSNS利用で保護者が知っておきたい、代表的な「困ったこと」の種類について、専門的な言葉を使わずに分かりやすくご説明します。
知っておきたい「困ったこと」の種類
SNSの世界で、子供たちが遭遇する可能性のある「困ったこと」には、様々な種類があります。ここでは、特に気をつけたい代表的なものをいくつかご紹介します。
1. 知らない人とつながってしまうこと
SNSでは、顔も名前も知らない人と簡単につながることができます。お子様が、メッセージのやり取りや友達リクエストなどをきっかけに、見知らぬ人と個人的なやり取りを始めてしまう可能性があります。
中には、お子様に近づいて悪さをしようと考える大人もいるかもしれません。お子様がうっかり個人情報(名前、学校名、住んでいる場所など)を教えてしまったり、実際に会おうと誘われたりする危険性も考えられます。
なぜこれが「困ったこと」になるかというと、インターネットの世界では、相手が本当に名乗っている通りの人物であるかを確認することが非常に難しいためです。見た目は普通の人のように見えても、全く違う目的を持っている場合があるのです。
2. 個人情報やプライベートな情報が広まってしまうこと
SNSに投稿した写真や文章は、思わぬ範囲に広まってしまうことがあります。例えば、
- 自宅の周りの景色が写った写真から、住んでいる場所が分かってしまう。
- 学校名や部活動について詳しく書きすぎて、通っている学校が特定されてしまう。
- 家族や友達の顔写真を、許可なく載せてしまう。
といったことです。一度インターネット上に公開された情報は、完全に消すことが難しい場合があります。悪意のある人がそういった情報を使って、嫌がらせをしたり、お子様をだまそうとしたりする可能性もゼロではありません。
「個人情報」とは、氏名や住所、電話番号など、特定の個人を識別できる情報のことです。SNSを使う際には、どのような情報をどこまで公開するかを慎重に考える必要があります。
3. 心ない言葉で傷ついたり、誰かを傷つけてしまったりすること
SNSでは、直接顔を見て話すわけではないため、相手の気持ちを想像するのが難しくなることがあります。そのため、軽い気持ちで書き込んだ言葉が、誰かを深く傷つけてしまうことがあります。
また、反対に、お子様自身がSNS上で悪口を書かれたり、仲間外れにされたり、しつこく嫌がらせを受けたりすることもあります。このようなインターネット上でのいじめは「ネットいじめ」と呼ばれ、学校でのいじめと同じように、お子様の心に大きな傷を残す可能性があります。
言葉は、良くも悪くも大きな力を持っています。SNSでやり取りする際には、相手への配慮が大切になります。
4. 不適切な情報を見てしまったり、影響を受けてしまったりすること
SNSには、お子様に見せたくないような、年齢にふさわしくない情報(暴力的な内容、性的な内容、危険な行為を促す内容など)が流れてくることがあります。
また、インターネット上の情報全てが正しいとは限りません。嘘の情報や、誰かをだますための情報に触れてしまい、それが正しいと思い込んでしまう危険性もあります。
これらの情報に触れることで、お子様の考え方や行動に悪い影響が出てしまうことも考えられます。
5. ついつい長時間使いすぎてしまうこと
SNSはとても楽しく、時間を忘れて夢中になってしまうことがあります。友達の投稿を見たり、ゲームをしたりしているうちに、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
SNSに時間を使いすぎてしまうと、勉強や運動、睡眠時間がおろそかになったり、家族と話す時間が減ってしまったりする可能性があります。体や心にも負担がかかることがあるため、利用時間の管理も大切なポイントです。
6. 知らないうちにお金がかかってしまうこと
SNSと連動したゲームなどで、アイテムを購入するために、気づかないうちにお金を使ってしまうケースがあります。「無料」と思っていたものが、実は課金が必要だったり、お子様が保護者に無断で課金してしまったりするトラブルも起こり得ます。
インターネット上での決済の仕組みをよく理解していないと、このような金銭的なトラブルに巻き込まれる可能性があります。
なぜ「困ったこと」を知ることがルール作りに繋がるのか
これまでにご紹介したような「困ったこと」の種類を知ることは、家庭でのSNSルールを具体的に考える上で非常に役立ちます。
- 何のためにルールを作るのかが明確になる: 例えば、「知らない人とつながらない」というルールは、上記1でご紹介した「知らない人とつながってしまうこと」を防ぐために必要なのだ、と目的を理解できます。
- 具体的にどんなルールが必要かが見えてくる: 「個人情報が広まる危険性」を知れば、「住所や学校が分かる写真は載せない」といった具体的なルール項目が考えられます。
- お子様にも説明しやすくなる: 「こういう心配があるから、こういうルールにしようね」と、理由を付けてお子様に説明しやすくなります。
もちろん、ご紹介した以外にも様々な「困ったこと」が起こる可能性はあります。また、全ての危険性を完璧に防ぐことは難しいかもしれません。
大切なのは、必要以上に恐れるのではなく、「こんなことがあるかもしれない」ということを理解し、家庭で話し合い、お子様と一緒に安心してSNSを使うための道筋を見つけることです。
まとめ
この記事では、お子様のSNS利用に伴って保護者が知っておきたい代表的な「困ったこと」の種類について見てきました。
- 知らない人とつながってしまう危険性
- 個人情報が広まってしまう危険性
- 心ない言葉でのやり取り
- 不適切な情報への接触
- 時間の使いすぎ
- お金に関するトラブル
これらの知識は、家庭でSNSの利用ルールを作る上での大切な基礎となります。「こんな困ったことが起こる可能性があるんだな」と理解することで、これからどんなルールが必要か、お子様とどんなことを話し合えば良いのかが見えてくるはずです。
次に、これらの知識をもとに、具体的にどのようなステップで家庭のルールを作っていくかについて考えていきましょう。