これで安心！ 子供のSNS、犯罪につながる危険な誘いから身を守る家庭ルール
お子さんのSNS利用が始まるにあたり、「どんな危険があるのか」「もし悪い人に狙われたらどうしよう」とご心配されている保護者の方もいらっしゃるかと存じます。
SNSは楽しい場所である一方で、残念ながらお子さんを騙そうとしたり、犯罪に巻き込もうとしたりする人が潜んでいる可能性も否定できません。特に、まだ世の中の経験が少ないお子さんは、そうした危険な誘いに気づきにくく、狙われやすい側面があります。
しかし、必要以上に恐れることはありません。危険について知り、家庭で適切なルールを決めておくことで、お子さんをしっかりと守ることができます。この講座では、お子さんがSNSで遭遇する可能性のある危険な誘いについて具体的に解説し、家庭で話し合って決めたいルール作りのポイントをお伝えいたします。
SNSで注意したい「危険な誘い」とは？
お子さんがSNSを使っていると、知らない人から突然メッセージが届いたり、投稿にコメントがついたりすることがあります。こうしたやり取りの中には、お子さんにとって危険につながる可能性のある「誘い」が紛れ込んでいることがあります。
どのような手口があるかを知っておくことが、最初の防衛策となります。いくつか代表的な例をご紹介します。
- 個人情報を聞き出そうとする誘い: 「どこに住んでいるの？」「学校はどこ？」「家の電話番号教えて」などと、お子さんの名前、住所、学校名、年齢、家族構成といったプライベートな情報を聞き出そうとするものです。これらの情報が悪用される危険があります。
- 「簡単にお金が稼げる」といった甘い話: 「簡単な作業をするだけでお小遣いがもらえるよ」「スマホでできるアルバイトがあるけど興味ない？」などと持ちかけるものです。これらは詐欺であったり、違法な行為に加担させようとしたりする危険な誘いの可能性があります。
- 「きれいな写真を見せて」「会いたい」といった要求: お子さんの写真や動画を送るように要求したり、「会って話そう」「どこかで会える？」と誘い出そうとしたりするものです。これは、お子さんの安全を脅かす性的な犯罪につながる可能性が極めて高い危険な誘いです。
- 秘密にするように求める会話: 「この話は誰にも言わないでね」「お父さんやお母さんには秘密だよ」と、お子さんと保護者の間に秘密を作ろうとするものです。これは、お子さんが誰かに相談できない状況を作り出し、より危険な状況に追い込むための手口です。
- ゲームのアカウントやアイテムを渡せば良いものをあげると持ちかける: ゲーム内でのアイテム交換などを装い、アカウント情報や個人情報を聞き出したり、実際には約束を守らなかったりする手口です。
こうした誘いは、最初は優しい言葉で近づいてきたり、お子さんの興味を引くような話題で油断させたりすることが多いのが特徴です。
なぜお子さんが狙われやすいのか
悪意のある人たちは、なぜお子さんを狙うのでしょうか。その背景には、いくつか理由が考えられます。
- 経験が少なく判断が難しい: 社会経験が少ないお子さんは、大人のように相手の言葉の裏を読んだり、危険を見抜いたりすることが難しい場合があります。
- 「友達になりたい」という気持ちが強い: SNSでつながった相手をすぐに「友達」だと思い込み、親切な言葉に心を開いてしまいやすい傾向があります。
- 断るのが苦手: 相手に嫌われたくない、怖い人だと思われたくないという気持ちから、無理な要求でも断れずに応じてしまうことがあります。
- 秘密にしたがる: 保護者に心配をかけたくない、あるいは「言っても理解してもらえないだろう」と考え、一人で抱え込んでしまうことがあります。
犯罪につながる危険な誘いからお子さんを守るための家庭ルール
こうした危険からお子さんを守るために、家庭で具体的に話し合って決めたいルールや約束事があります。一方的に決めつけるのではなく、なぜこのルールが必要なのかを丁寧に説明し、お子さんと一緒に考える姿勢が大切です。
- 知らない人からのメッセージは開かない・返信しない: SNSで友達としてつながっていない人からのメッセージは、原則として開いたり、返信したりしないというルールを決めましょう。もし間違って開いてしまったり、怖いと感じるメッセージが来たりしたら、すぐに保護者に伝える約束をします。
- 「怪しいな」「変だな」と感じたらすぐに相談する: これが最も大切なルールかもしれません。やり取りしている相手の言葉や態度に少しでも違和感を持ったり、不安や怖い気持ちになったりしたら、すぐに保護者に相談することを約束します。どんな小さなことでも構わない、決して叱らないから話してほしい、というメッセージを日頃から伝えておくことが重要です。
- 個人情報やプライベートな情報は絶対に教えない・載せない: SNSのプロフィールに本名や学校名を書かないことはもちろん、メッセージのやり取りの中でも、住んでいる場所、学校名、電話番号、家族のことなどがわかる情報は絶対に教えないというルールを徹底します。顔写真や制服姿の写真なども、個人が特定される可能性があるため注意が必要です。
- 「簡単にお金になる」など、うますぎる話は疑う: 世の中に「簡単にお金が稼げる」という話はないことを教え、そのような誘いは危険である可能性が高いと説明します。もしそういう誘いがあったら、すぐに保護者に知らせるルールを決めます。
- 「会おう」という誘いは絶対に断り、一人で会いに行かない: SNSで知り合った人と実際に会うことの危険性をしっかりと説明します。もし「会いたい」と誘われたら、きっぱりと断ること、そして保護者には必ず知らせることを約束します。勝手に一人で会いに行くことは絶対にしない、という強い約束が必要です。
- 困ったときは保護者に話すことの重要性を伝える: 何か問題が起こったり、不安になったりした時に、保護者に話すことがいかに大切かをお子さんに伝えます。「怒られるかも」「心配させたくない」という気持ちから隠してしまうのではなく、話すことが身を守ることにつながるのだと理解してもらうことが重要です。保護者も、お子さんが勇気を出して相談してくれた時には、まず「話してくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝え、頭ごなしに否定せず、真剣に耳を傾ける姿勢を示しましょう。
ルールは一度作ったら終わりではない
SNSのルールは、お子さんの成長やSNSの新しい機能、世の中の状況に合わせて見直していくことが必要です。一度決めたルールも、時間とともに家族みんなで話し合い、必要に応じて変更していく柔軟さも大切です。
そして何よりも、お子さんが「何かあったらお父さんやお母さんに話そう」と思える、安心できる家庭環境を築くことが、最大の防御策となります。
この講座が、ご家庭でのお子さんのSNS利用における不安を少しでも減らし、安全で楽しいSNSライフを送るための一助となれば幸いです。