【これで安心】子供のSNS・ネット詐欺を防ぐルール:知っておきたい手口と家庭での決め方
お子さんのSNS利用で「変な人に騙されないか」ご心配ではありませんか?
お子さんがスマートフォンを持ち始め、SNSやインターネットを使うようになると、楽しいことや便利なことがある一方で、「なんだか怖い話を聞くけれど、うちの子は大丈夫だろうか」「変な人に騙されて、お金を取られたり、危ないことに巻き込まれたりしないだろうか」とご心配になる保護者の方もいらっしゃるかと存じます。
特に、最近はSNSやインターネットを通じて、子供たちに近づき、だまそうとする悪い人たちがいるのも事実です。見知らぬ人からのメッセージや、うますぎる話など、大人でも「これは怪しいな」と感じるものもあれば、子供には判断が難しい巧妙な手口もあります。
ITに詳しくないから、何から注意すればいいか分からない…と感じられるかもしれません。ご安心ください。この記事では、お子さんがSNSやインターネットで遭遇する可能性のある「怪しい話」にはどんなものがあるか、そして、家庭でどのようにルールを決め、お子さんを危険から守るかについて、専門用語を使わずに、分かりやすくご説明します。
家庭で具体的なルールを決めておくことは、お子さんを危険から守るためのお守りになります。一緒に、お子さんが安心してインターネットを使えるようになるための一歩を踏み出しましょう。
子供がSNSやインターネットで出会うかもしれない『怪しい話』の手口
まず、どんなことに注意が必要なのかを知っておきましょう。悪い人たちは、子供たちの「〇〇したいな」「△△が欲しいな」といった気持ちや、友達とのつながりを大切にしたい気持ちにつけ込んでくることがあります。代表的な手口をいくつかご紹介します。
【手口その1】「タダであげます」「当選しました」など、うますぎる誘いの話
SNSのメッセージやコメント、あるいはゲームの中などで、見知らぬ人から「このゲームのアイテムをタダであげるよ」「〇〇円があなたに当たりました」「有名人に選ばれました」といった、魅力的な誘いがくることがあります。
- なぜこれが危険なのでしょうか?
- このような誘いは、お子さんの個人情報(名前、住所、電話番号、学校名など)を聞き出したり、クレジットカードの番号を入力させようとしたり、お金を振り込ませようとしたりするための入り口であることが非常に多いのです。
- 「タダ」と言いながら、実は高いお金を後から請求されたり、偽物の商品を送りつけられたりすることもあります。
- まるで、知らない人から「お菓子をあげるから、名前を教えて」と言われるのと同じくらい、警戒が必要な誘いです。
【手口その2】「ここをクリック!」と急かすような不審なリンクやメッセージ
SNSのタイムラインやメッセージに、「あなたの知り合いが写っている写真です」「あなたのスマホがおかしくなっています」「早くしないとアカウントが使えなくなります」といった、不安をあおったり、興味を引いたりするメッセージと一緒に、「ここをクリックしてください」「このファイルを開いてください」と書かれたものが送られてくることがあります。
- なぜこれが危険なのでしょうか?
- そのリンクをクリックしたり、ファイルを開いたりすると、お子さんのスマートフォンやパソコンが「ウイルス」のような悪いプログラムに感染してしまい、中の情報(写真、連絡先、パスワードなど)が盗まれたり、機器が動かなくなってしまったりすることがあります。
- また、偽物のサイトに誘導されて、そこで入力したIDやパスワードが盗まれ、「アカウント乗っ取り」や「なりすまし」に使われてしまう危険もあります。
- これは、知らない人から「これを見たらすごく良いものだよ」と、何が入っているか分からない怪しい箱を渡されるようなものです。
【手口その3】「二人だけの秘密ね」と、誰にも言わないようにと約束させる話
SNSやオンラインゲームで仲良くなった見知らぬ人が、お子さんに対して「このことは、お父さんやお母さんには秘密だよ」「私たちだけの秘密の関係でいようね」と持ちかけ、何か危険なことや恥ずかしいことをさせようとする場合があります。例えば、裸の写真を送らせようとしたり、実際に会おうと誘ったりするなどです。
- なぜこれが危険なのでしょうか?
- 悪い人たちは、お子さんが誰かに相談できないように「秘密」にさせようとします。そして、お子さんが困ったり、嫌がったりしても、「秘密をバラすぞ」などと言って、言うことを聞かせようとします。
- このような誘いに乗ってしまうと、お子さんが犯罪に巻き込まれたり、心に深い傷を負ったりする可能性が非常に高くなります。
- これは、知らない大人から「みんなには内緒だよ」と連れ出されそうになるような、絶対に断らなければいけない誘いです。
家庭で決める『怪しい話』から身を守るための具体的なルール案
このような危険からお子さんを守るためには、日頃から家庭でルールを決めておくことがとても大切です。お子さんの年齢や理解度に合わせて、話し合いながら決めてみましょう。難しく考える必要はありません。「これだけは守ろうね」という約束をいくつか決めることから始められます。
【ルール案1】知らない人からの連絡は「見ない・返信しない」
- 具体的にどういうこと?
- SNSで、全く知らない人から友達申請がきたり、メッセージがきたりしても、基本的に「見ない」「返信しない」「承認しない」と決めましょう。
- ゲームの中で話しかけられても、個人的なやり取りはしないようにしましょう。
- なぜこのルールが必要?
- 相手が誰だか分からないからです。見た目は子供のプロフィールでも、実は大人かもしれませんし、悪い目的を持っているかもしれません。やり取りを始めなければ、危険に近づくことを避けられます。
【ルール案2】「お金」「個人情報」「体のこと」の話は必ず親に相談する
- 具体的にどういうこと?
- インターネットで「お金がもらえる」「お金を払って」という話が出たら、必ずお父さんかお母さんに相談すると約束しましょう。
- 名前、住所、学校名、電話番号、顔写真、家族のことなど、自分や家族の個人的な情報を聞かれたら、絶対に自分で答えないで、親に相談すると決めましょう。
- 自分の体や友達の体の写真を見せてほしい、送ってほしいと言われたら、絶対に断って、すぐに親に話すと約束しましょう。
- 「会いたい」と誘われた場合も、必ず親に話すと決めましょう。
- なぜこのルールが必要?
- これらは、お子さんが最も危険なことに巻き込まれやすい話題だからです。これらの話題が出たら、どんな状況でも親に相談する、という習慣をつけることが、お子さんを守る盾になります。
【ルール案3】「怪しいな」と感じたら、クリックせず、親に画面を見せる
- 具体的にどういうこと?
- 送られてきたメッセージや、見ている画面が「なんか変だな」「急かされているな」「うますぎて本当かな?」と少しでも「怪しい」と感じたら、それ以上操作しないで、すぐに保護者に「これどういうこと?」と、その画面を見せながら相談すると決めましょう。
- なぜこのルールが必要?
- 悪い手口は、お子さんの焦りや好奇心につけ込んできます。「怪しい」という感覚は、お子さん自身が危険を察知する大切なサインです。そのサインを見逃さず、立ち止まって相談することが、危険なリンクをクリックしたり、騙されたりすることを防ぎます。
【ルール案4】「絶対秘密ね」と言われたら、余計に親に話す
- 具体的にどういうこと?
- 誰かから「このことは、お父さんやお母さんには絶対に言わないでね」「私たちだけの秘密だよ」と言われたら、その話こそ、必ずお父さんかお母さんに話すと決めましょう。
- なぜこのルールが必要?
- 悪い人たちは、お子さんと保護者の間に壁を作り、お子さんを孤立させようとします。そして、秘密を理由に、お子さんをコントロールしようとします。「秘密」にせず、保護者に話すことが、悪い人たちの思惑を壊し、お子さん自身を守ることにつながります。
【ルール案5】見た情報が「本当かな?」と一度立ち止まって考える習慣をつける
- 具体的にどういうこと?
- SNSで「この情報が正しい」「この方法で絶対に儲かる」といった強いメッセージや、驚くような情報を見たり聞いたりしたら、「本当にそうなのかな?」と一度立ち止まって考える習慣をつけましょう。
- 気になることがあれば、お父さんやお母さんと一緒にインターネットで調べてみる(検索してみる)のも良い方法です。
- なぜこのルールが必要?
- インターネット上には、嘘の情報(フェイクニュース)や、人を騙すための情報がたくさんあります。正しい情報かどうかを見分ける力を少しずつ養うことが、騙されることを防ぐことにつながります。
ルールを実らせるために:保護者の方に大切にしていただきたいこと
これらのルールを決めるだけでなく、お子さんが安心してルールを守り、困った時に相談できる環境を作ることが何よりも大切です。
- 日頃からお子さんと話し合う時間を作る: スマートフォンやインターネットのことだけでなく、学校のこと、友達とのことなど、日常的に「今日はどんなことがあった?」と話しかけ、お子さんが話しやすい雰囲気を作りましょう。
- お子さんの話を否定せず、冷静に聞く: もしお子さんが「怪しい話」に遭遇したり、ルールを破ってしまったりした場合でも、頭ごなしに叱るのではなく、「教えてくれてありがとう」「話してくれて助かったよ」と、まずは話してくれたことを肯定的に受け止め、お子さんがなぜそうしたのか、どんな気持ちだったのかをじっくり聞きましょう。
- 「怪しい話」の手口について、お子さんと一緒に学ぶ: テレビのニュースで取り上げられた事件や、知人が経験した話などを参考に、「こういうことに注意した方がいいみたいだよ」と、一方的ではなく、一緒に考える機会を持つのも良い方法です。お子さんが興味を持つような話題から入るのも良いでしょう。
- お子さんのSNSや利用状況を完全に把握しようとしすぎない: 細かくチェックしすぎると、お子さんは隠し事をするようになるかもしれません。「相談してくれたら力になるよ」というメッセージを伝える方が、結果的に危険から守ることにつながります。フィルタリング設定や、利用時間の制限など、技術的な対策と組み合わせて行うのが効果的です。
まとめ:家庭のルールは危険から守る「お守り」です
SNSやインターネットの世界には、残念ながらお子さんを危険な目に遭わせようとする人が存在します。しかし、闇雲に怖がるのではなく、「どんな危険があるのか」を知り、「どうすれば身を守れるのか」という具体的なルールを家庭で決めておくことで、お子さんはより安全にインターネットを利用できるようになります。
今回ご紹介した「怪しい話」への注意ルールは、その中でも特に重要ないくつかです。お子さんの成長に合わせて、繰り返し話し合い、確認していくことが大切です。そして、何よりも重要なのは、お子さんが困った時に「お父さんやお母さんに話せば大丈夫だ」と思えるような、温かい信頼関係を築いていくことです。
この記事が、お子さんがSNSやインターネットの世界で安全に過ごせるよう、家庭でのルール作りを進める一助となれば幸いです。