【これで安心】子供のSNS アカウント情報を友達と共有する危険:家庭で決める「教えない」ルール
お子さんがSNSを使い始めると、友達との間で様々なやり取りが生まれます。その中で、「アカウントの情報を友達に教える」「パスワードを共有する」といった行動が出てくることがあります。大人からすると少し驚くかもしれませんが、子供同士では「仲良しの証」「信頼しているから」といった気持ちで、気軽に情報を教えてしまうことがあるようです。
しかし、SNSのアカウント情報を安易に友達と共有することは、思わぬトラブルに繋がる危険をはらんでいます。このページでは、なぜ友達でもアカウント情報を教えてはいけないのか、そして家庭でどのように「教えない」ルールを決めていけばよいのかを、分かりやすく解説します。
なぜ、友達でもSNSアカウント情報を教えてはいけないのでしょうか?
「仲の良い友達だから大丈夫」と思われるかもしれません。もちろん、多くの場合、悪気はないかもしれません。しかし、SNSの世界では、一度アカウント情報を知られてしまうと、以下のような危険が生じる可能性があります。
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勝手にアカウントを使われてしまう危険: 友達が、本人の許可なくアカウントを使って投稿したり、メッセージを送ったりする可能性があります。本人が意図しない内容が投稿されたり、知らないうちに誰かとのトラブルに巻き込まれたりするかもしれません。これは、自分の名前で勝手なことをされてしまうのと同じような状況です。 例えるなら、自宅の鍵を友達に渡してしまい、いつの間にか家の中で勝手に色々されてしまうようなものです。
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なりすましやアカウント乗っ取りに繋がる危険: 友達がアカウント情報(IDやパスワード)を知ると、その友達の友達、さらにその友達へと情報が広がってしまう危険性があります。情報が悪意のある第三者の手に渡ると、アカウントを乗っ取られてしまったり、本人になりすまされて詐欺などに悪用されたりする可能性もゼロではありません。 これは、銀行の通帳の暗証番号を人にあげてしまうのと同じくらい危険な行為です。
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友達との関係が悪化する危険: 最初は仲良しでも、アカウントの使い方の違いから誤解が生じたり、勝手に使われたことに気づいて嫌な気持ちになったりして、友達関係に亀裂が入ることもあります。また、友達のアカウントを借りて何か問題を起こしてしまい、友達にも迷惑をかけてしまうことも考えられます。
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情報漏洩のリスクが高まる: 友達が使っているスマートフォンやパソコンが安全でない場合、そこからアカウント情報が漏れてしまうこともあり得ます。たとえ友達が悪気を持っていなくても、情報が漏れてしまうリスクは高まります。
SNSのアカウント情報は、自分がインターネット上で『本人であること』を証明するための、とても大切な情報です。これを安易に他人に渡すことは、リアルの世界で言うと、自分の身分証明書や家の鍵を渡すくらい、危険なことなのです。
家庭で「アカウント情報を友達と共有しない」ルールを作るステップ
お子さんの安全を守るために、家庭で「アカウント情報を友達と教えてはいけない」というルールを明確に決めましょう。ITが苦手でも大丈夫です。難しく考える必要はありません。大切なのは、なぜこのルールが必要なのかを、お子さんと一緒に理解することです。
ステップ1:なぜ危ないのか、お子さんと一緒に話し合う
まずは、先ほど説明したような危険について、お子さんに分かりやすい言葉で伝えましょう。一方的に「ダメ!」と言うのではなく、「もしアカウントを誰かに勝手に使われたら、どんな嫌なことが起こるかな?」「〇〇ちゃんになりすまして、変なことを投稿されたらどう思う?」などと問いかけながら、お子さん自身に考えてもらうのが効果的です。
例え話(鍵、通帳の暗証番号など)も交えながら、「自分の大切な情報だから、誰にも教えてはいけないんだよ」ということを、時間をかけて丁寧に説明しましょう。
ステップ2:具体的なルールを決める
話し合いを通じて危険性を理解できたら、家庭でのルールを具体的に決めます。
- ルール例:
- 「自分のSNSアカウントのIDやパスワードは、おうちの人以外には、どんなに仲良しの友達でも絶対に教えない。」
- 「友達のアカウントを借りて、代わりにログインしたり投稿したりしない。」
- 「友達に『あなたのアカウントで代わりに〇〇して』と頼まれても断る。」
これらのルールは、お子さんが「何をすればルールを守っていることになるのか」が明確になるように、具体的な行動で示しましょう。
ステップ3:友達から頼まれた時の「断り方」を一緒に考える
お子さんがルールを理解しても、友達から「アカウント教えて」「代わりにログインして」と頼まれた時に、どう断ればいいか困ってしまうことがあります。そこで、「こんな風に言ったら、友達も分かってくれるんじゃないかな?」という断り方を、一緒になって考えてみましょう。
- 断り方の例:
- 「ごめん、おうちの人との約束で、アカウントの情報は誰にも教えちゃいけないことになっているんだ。」
- 「自分でログインするね、手伝ってくれてありがとう!」
- 「アカウントを貸し借りするのは危ないらしいから、やめておこうよ。」
お子さんが友達との関係を悪くすることなく、ルールを守れるような言い方を、いくつか考えておくと安心です。
ステップ4:困ったことがあったら、必ずおうちの人に話す約束をする
「アカウントを教えてしまって後悔している」「友達から頼まれて困っているけど言えない」といった状況を一人で抱え込ませないことが重要です。「もし、ルールを守るのが難しかったり、友達との間で何か嫌なことがあったりしたら、隠したりしないで必ずおうちの人に話してね。一緒にどうすればいいか考えよう。」と伝え、お子さんが安心して相談できる関係を築きましょう。
保護者としてできること
家庭でのルール作りに加えて、保護者の方も以下のような点を意識しておくと、より安心です。
- お子さんのパスワード管理をサポートする: お子さんが使っているパスワードが簡単すぎるもの(誕生日など)でないか確認したり、親子でパスワードを共有管理する場所(ノートに書くなど)を決めたりするのも良い方法です。お子さんが複数のSNSで同じパスワードを使い回さないようアドバイスすることも大切です。(パスワードや二段階認証については、別の記事でも詳しく解説していますので、そちらもご参照ください。)
- 日頃からコミュニケーションを大切にする: お子さんがSNSでどのようなことに興味を持ち、友達とどのように関わっているのか、日頃から話を聞く機会を持ちましょう。「何か困ったことはない?」「嫌なことはなかった?」など、気軽に話せる雰囲気を作っておくことで、トラブルがあった際にお子さんが「おうちの人に話そう」と思ってくれやすくなります。
まとめ
SNSのアカウント情報を友達と共有することは、一見問題ないように見えて、実はアカウントの乗っ取りやなりすまし、思わぬトラブルに繋がる危険があります。
家庭で「アカウント情報は誰にも教えない・貸さない」というルールを、なぜ必要なのかをしっかり話し合いながら決めることは、お子さんが安全にSNSを利用するためにとても大切です。
このルール作りが、お子さんを危険から守り、安心してインターネットの世界を楽しむための一歩となることを願っています。