子供とのSNSルール作り、もし『難しいな』と感じたら?家庭でできる具体的なヒント
家庭でお子さんとSNSの利用ルールを作ろうと考えているけれど、どこから始めていいか分からない、お子さんと話し合うのが難しそう、ちゃんと作れるか自信がない、などと感じていませんか。
新しいことに挑戦する時や、大切なお子さんのこととなると、不安や難しさを感じるのは自然なことです。特に、SNSやインターネットについて「自分はあまり詳しくないから…」と思っていると、なおさらそう感じるかもしれません。
このサイトでは、家庭に合ったSNS利用ルールを具体的なステップで作成するお手伝いをしていますが、今回はその途中で「ちょっと難しいな」と感じた時に役立つ、具体的なヒントをお伝えします。
なぜSNSルール作りを「難しい」と感じてしまうのか? 保護者の気持ちに寄り添う
まず、ルール作りが難しいと感じる背景には、いくつかの共通した理由があります。ご自身の気持ちと照らし合わせてみてください。
- 何から始めていいか分からない: SNSにはたくさんの種類があり、何が危険なのか、何を決めればいいのか、全体像が見えずに圧倒されてしまうことがあります。
- ITやSNSについて詳しくない不安: お子さんの方が詳しいのではないか、専門用語が分からないといった、知識に関する不安があるかもしれません。
- お子さんが乗り気じゃない、反発しそう: お子さんがルールの話し合いに消極的だったり、反発したりするのではないかという心配があるかもしれません。
- 忙しくてじっくり向き合う時間がない: 日々の家事や仕事に追われ、じっくりお子さんと話す時間を作るのが難しいと感じているかもしれません。
- 完璧なルールを作らないといけないと思い込んでいる: 一度作ったルールは絶対に守らせなければ、とか、全ての危険に対応できる完璧なルールを作らなければ、と考えてしまい、そのプレッシャーから動き出せなくなってしまうことがあります。
これらの気持ちは、決して特別なことではありません。多くの方が同じように感じています。大切なのは、「難しいな」と感じる自分を責めるのではなく、その気持ちを受け止め、解決のための具体的な方法を知ることです。
「難しい」を乗り越えるための具体的なヒント
それでは、「難しいな」と感じた時に、どのように乗り越えていけば良いのでしょうか。家庭で実践できる具体的なヒントをいくつかご紹介します。
ヒント1:完璧を目指さない、「これだけは」から始める
最初から全てを決めようとする必要はありません。SNSのルールは一度作ったら終わりではなく、お子さんの成長やSNSの変化に合わせて見直していくものです。
まずは、「これだけは決めておきたい」という最も気になることから始めてみましょう。例えば、
- 使う時間帯を決める
- 知らない人からの友達申請には応じない
- 個人的な情報(学校名、住所など)を載せない
など、1つか2つでも良いのです。小さな一歩を踏み出すことで、次に進むための自信につながります。
ヒント2:お子さんを「説得」するのではなく、「一緒に考える」姿勢を持つ
ルールは一方的に押し付けるものではなく、お子さんと「一緒に」作り上げるものです。お子さんは、自分で決めたルールの方が納得しやすく、守ろうという気持ちになりやすいものです。
「こうしなさい」と指示するのではなく、「SNSって楽しいけれど、もしかしたら困ったこともあるかもしれないよね。どうしたら安心かな?一緒に考えてみない?」というように、お子さんの意見や気持ちを聞くことから始めてみましょう。
お子さんの「なぜ?」や「でも…」にも、頭ごなしに否定せず、耳を傾けることが大切です。保護者がお子さんの話を聞く姿勢を見せることで、お子さんも安心して自分の考えを話せるようになります。
ヒント3:難しく考えすぎず、まずは短い時間で話してみる
「じっくり時間をとって、改めて話し合わなければ」と身構える必要はありません。例えば、食事の後や、お子さんがSNSを使っている時など、普段の会話の中で「ねえ、ちょっとSNSのこと聞いてもいい?」と声をかけてみることから始めてみましょう。
最初は5分や10分でも構いません。「最近どんなSNSを使っているの?」「友達はどんな風に使っているの?」など、お子さんの興味のあることから話を進めると、会話が弾みやすくなります。
ヒント4:IT知識は完璧でなくて大丈夫、一緒に学ぶ姿勢で
SNSや新しい技術について詳しくなくても、ルール作りはできます。全てを理解していなくても、お子さんの安全を願う気持ちがあれば十分です。
「正直、お母さん(お父さん)はSNSのこと、よく分からない部分もあるんだ。だから、あなたに教えてもらいながら、一緒にどうすれば安全に使えるか考えていきたいな」と、お子さんに正直に伝えてみましょう。
お子さんが知っていること、得意なことを教えてもらうことで、お子さんの自尊心を育むことにもつながります。保護者が完璧な知識を持っていなくても、一緒に学んでいこうという姿勢こそが、お子さんとの信頼関係を築き、ルール作りを進める上での大きな力になります。
ヒント5:「なぜルールが必要か」の目的を共有する
単に「〇時は使うな」「これはダメ」と制限するだけでなく、「なぜそのルールが必要なのか」という目的をお子さんと共有することが重要です。「夜遅くまで使うと、次の日学校で眠くなっちゃうから」「知らない人に写真を送ると、悪いことに使われちゃうかもしれないから」のように、具体的な理由を分かりやすく伝えましょう。
お子さん自身がルールの意味を理解することで、「守らされている」という気持ちではなく、「自分のため、家族のため」という意識を持ってルールと向き合えるようになります。
まとめ:「難しいな」と感じたら、立ち止まらず、まずは一歩
SNSの利用ルール作りは、ご家庭によって、お子さんの性格や年齢によって、様々な形があります。他の家庭と比べる必要はありません。「こうでなければならない」という正解があるわけではないのです。
もし今、「難しいな」と感じているのであれば、それは決して特別なことではありません。立ち止まってしまうのではなく、「難しいと感じているんだな」とご自身の気持ちを認め、今回ご紹介したようなヒントを参考に、小さなことから始めてみてください。
完璧を目指さず、お子さんと一緒に考え、話し合うプロセスそのものが、ご家族にとって大切な学びとなり、より良い関係を築くことにもつながります。
焦らず、一歩ずつ。大丈夫、きっとご家庭に合ったルールを作ることができます。