お子さんが初めてSNSを使う時:アカウント作成前に親子で確認したい大切なこと
お子様が初めてご自身のSNSアカウントを持たれる時、保護者様は様々なご心配があるかもしれません。インターネット上の知らない世界でお子様が安全に過ごせるか、どんなトラブルがある可能性があるのか、具体的にどうすれば良いのか、考え始めると不安が募る方もいらっしゃるでしょう。
SNSの利用ルールを家庭でしっかりと作ることは、お子様を様々な危険から守る上で非常に重要です。そして、そのルール作りの最初の、そして最も大切なステップの一つが、「アカウントを作成する前に、親子で確認し話し合うこと」です。
この段階でしっかりと土台を作ることで、お子様はSNSを始める上で必要な心構えを持つことができ、保護者様も少し安心して見守ることができるようになります。ここでは、アカウント作成前に親子で確認したい大切なポイントを、分かりやすくお伝えします。
なぜ「アカウント作成前」の確認が大切なのか?
なぜ、アカウントを作成する「前」に話し合いが必要なのでしょうか。それは、アカウントが作られて実際にSNSを使い始めてしまうと、目新しい機能や友達とのやり取りに夢中になり、後からルールや大切な約束事を伝えようとしても、お子様が真剣に聞き入れにくくなる場合があるからです。
始める前に、落ち着いて「何のためにSNSを使うのか」「どんなことに気をつければ良いのか」を親子で確認することで、お子様はSNSを正しく安全に利用するための基礎知識を身につけることができます。また、保護者様も、お子様がSNSに対してどのような考えを持っているのかを知る良い機会となります。
アカウント作成前に親子で確認したい大切なこと
では、具体的にどのようなことを確認すれば良いのでしょうか。難しい技術的な話は抜きにして、親子で話し合い、共有しておきたい大切なポイントを5つご紹介します。
1. SNSを「何のために」使うのか、目的を話し合う
まず、お子様と「何のためにSNSを使いたいのか」を話し合ってみましょう。 「友達と連絡を取りたい」「好きなアーティストの情報を知りたい」「自分の趣味について投稿したい」など、お子様にはSNSを使いたい理由があるはずです。
この「目的」を共有することで、SNSの使い方がその目的に合っているか、それ以外の使い方(例えば、関係のない人にむやみに個人情報を教えるなど)は必要ない、ということをお子様自身が理解する助けになります。
また、SNSには様々な機能がありますが、全ての機能を使う必要はありません。目的に合わせて、使う機能やアプリを選ぶという視点を持つことも大切です。
2. 投稿する情報は「誰に見せるか」を確認する
SNSでは、自分が投稿した写真や文章、位置情報などが、意図しない人に見えてしまう可能性があります。これは「公開範囲」の設定に関わることですが、専門的な言葉は使わずに、まずは考え方から確認しましょう。
- 「この写真、誰に見せても大丈夫かな?」
- 「書いた文章は、学校の先生や親戚、ご近所の人など、誰でも見ることができるのかな?」
SNSによっては、「友達だけに公開」「知っている人だけ」「全員に公開」など、公開範囲を設定できます。アカウントを作成する前に、「投稿する情報は、基本的には世界中の誰でも見ることができる可能性がある」という意識を持つことが重要です。そして、お子様がどんな情報を、どの範囲の人に見せたいかをイメージできるよう、具体的に問いかけてみましょう。
もし「友達以外には絶対に見せたくない」ということであれば、アカウントを作成する時に、そのSNSのプライバシー設定で公開範囲を限定する方法があることを伝え、設定する約束をしましょう。
3. 「知らない人」とのつながり、どうするか決める
SNSでは、面識のない人から「友達になりませんか?」といった申請やメッセージが届くことがあります。お子様が「知らない人」とのつながりについて、どう考え、どう対応するかを事前に決めておくことは非常に重要です。
- 知らない人からの「友達申請」は、安易に許可しない
- 知らない人からメッセージが来ても、返信しない
- もし変なメッセージが来たり、怖いと感じたりしたら、すぐに保護者様に相談する
このような基本的なルールを、アカウント作成前に必ず約束してください。なぜなら、知らない人になりすましたり、悪意を持って近づいてきたりする人がいる可能性があるからです。現実世界で知らない人にいきなりついていかないのと同じように、インターネット上でも慎重になる必要があることを丁寧に伝えましょう。
4. 「困った時」にどうするか、相談先を決めておく
SNSを使っていると、たとえ気をつけていても、嫌なことや困ったことに遭遇する可能性はゼロではありません。例えば、友達との誤解、心ない言葉を受け取ってしまう、変な写真や動画を見てしまうなどです。
そんな時に、お子様が一人で悩まず、誰かに相談できる環境があることが非常に大切です。アカウントを作成する前に、「何か困ったこと、嫌なこと、分からないことがあったら、いつでもお父さんやお母さんに話してね」と具体的に伝え、約束しておきましょう。
相談しやすい雰囲気を作ることも重要です。「こんなこと話したら怒られるかも」とお子様が感じないよう、「どんな些細なことでも構わないよ」「一緒に考えようね」というメッセージを日頃から伝えておくことが大切です。保護者様以外にも、学校の先生や信頼できる大人など、複数人の相談先を決めておくのも良い方法です。
5. アカウントを守る「パスワード」の大切さを知る
SNSアカウントは、お子様にとって大切な情報が含まれる場所です。そのアカウントを他の人に勝手に使われないようにするための鍵が「パスワード」です。
アカウントを作成する時に決めるパスワードが、どれだけ大切かを伝えましょう。
- パスワードは、他の人には絶対に教えないこと。(友達同士でも交換しない)
- 簡単に推測できるパスワード(誕生日、名前など)にしないこと。
パスワードをしっかり管理することは、自分自身を守るための基本的な行動であることを、お子様が理解できるよう話してみてください。
まとめ:安心のための第一歩を踏み出しましょう
お子様が初めてSNSアカウントを持つことは、新しい世界への一歩であり、楽しい経験をもたらす可能性を秘めています。しかし同時に、予備知識なしに始めることにはリスクも伴います。
今回ご紹介した5つのポイントを、アカウント作成前に親子でじっくりと話し合ってみてください。これは、お子様がSNSを安全に楽しく使うための大切な準備期間であり、これから一緒に作っていくSNS利用ルールの土台となります。
すべての不安を一度に解消することは難しいかもしれませんが、この最初のステップを踏み出すことで、保護者様の安心感にもつながるはずです。「これで安心!SNSルール作成講座」では、これからも具体的なステップで家庭に合ったSNS利用ルールを作成するお手伝いをしていきます。
お子様との建設的な話し合いを通して、より安心できるSNS利用のスタートを切りましょう。