【これで安心】家庭のSNSルール 子供が『守りたい』と思えるバランスの取り方ステップ
お子さんのSNS利用が始まるにあたり、家庭でのルール作りを考えられている保護者の方も多いことと思います。安全のためにしっかりとしたルールが必要だと感じる一方で、ルールが厳しすぎるとお子さんが窮屈に感じてしまい、かえって隠れて使ったり、何か困ったことがあっても相談してくれなくなったりしないかと、不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このサイトでは、ご家庭に合ったソーシャルメディア利用ルールを作る具体的なステップをご紹介していますが、今回は、お子さんがルールを「やらされている」と感じるのではなく、「これなら守ってもいいかな」「自分で決められた」と思えるような、バランスの取れたルール作りの考え方について、具体的なステップでお伝えします。
なぜ「バランス」が大切なのでしょうか？
SNSは、お子さんにとって友達とつながる大切なツールであり、新しい情報や興味のある世界を知るきっかけにもなります。一方、危険な情報やトラブルの可能性も潜んでいます。
安全のためにルールは不可欠ですが、一方的に「これはダメ」「あれもダメ」と決めてしまうと、お子さんは納得できず、反発したり、親の目を盗んで利用したりするようになることがあります。そうなると、ルールが形骸化してしまうだけでなく、万が一トラブルに巻き込まれた時に、親に相談しづらい状況を作ってしまうことにもつながりかねません。
お子さんが自ら危険を避け、SNSを安心安全に利用するためには、ルールを「守らされている」と感じるのではなく、「自分で決めた」「納得できる」と思えるような、お子さんの気持ちに寄り添ったバランスの取れたルール作りがとても大切になります。
バランスの取れたルール作りの考え方ステップ
では、お子さんが「これなら守りたい」と思えるような、バランスの取れたSNSルールはどのように作れば良いのでしょうか。いくつかのステップで考えてみましょう。
ステップ1：ルールの「目的」を親子で再確認する
まず、何のためにSNSルールを作るのか、その「目的」を親子で一緒に考えてみましょう。
- 「危険なことに巻き込まれないようにするため」
- 「友達との関係を大切にするため」
- 「勉強や睡眠時間など、生活のバランスを崩さないため」
- 「SNSの良いところ（好きなことの情報収集など）も上手に使うため」
このように、単に禁止するためではなく、お子さん自身の安全や成長、より良い生活のためにルールがあるのだということを、お子さんにも分かりやすい言葉で伝え、共有することが大切です。目的が共有できていると、ルールを守ることへの納得感が高まります。
ステップ2：「絶対守るべきこと」と「柔軟にしても良いこと」の線引きを考える
家庭の状況やお子さんの年齢、性格によって、どのルールを優先するかは変わってきます。全てのルールを厳格にするのではなく、「これだけはどんなことがあっても守ってほしいこと」と、「家庭の事情やお子さんの状況に合わせて少し柔軟に考えても良いこと」を分けて考えてみましょう。
例：「絶対守るべきこと」 * 個人情報（住所、学校名、顔写真など）を特定できるような投稿はしない。 * 会ったことのない人と個人的に連絡を取ったり、会う約束をしたりしない。 * 友達や他の人の悪口、傷つけるようなことを書かない。 * 危険なサイトやサービスにはアクセスしない。
例：「柔軟にしても良いこと」 * 平日の利用時間（ただし、夜遅くまでは使わないなど基本的な制限は設ける）。 * 利用しても良い場所（ただし、公共の場で大声で話さないなどマナーは守る）。 * 利用しても良いアプリの種類（ただし、年齢制限のあるものや危険な可能性のあるものは除く）。
この線引きを考えることで、ルールにメリハリがつき、お子さんも「これは大事だから絶対守ろう」という意識と、「これは少しだけなら融通がきくかもしれない」という気持ちを持つことができます。
ステップ3：お子さんの「気持ち」や「意見」を聞く時間を作る
ルール作りは、一方的に親が決めてお子さんに守らせるものではありません。お子さんの意見や気持ちを聞く時間を必ず設けましょう。
- 「このルールについて、どう思う？」
- 「どんなところが難しいと感じる？」
- 「どうしてこういうルールにしたいか、あなたの考えを聞かせてくれる？」
お子さんがなぜそうしたいのか、なぜこのルールは難しいと感じるのか、その理由を根気強く聞いてあげてください。たとえすぐにルールの内容に反映できなくても、「自分の意見を聞いてもらえた」という経験は、お子さんの納得感や信頼感につながります。話し合いの中で、お子さん自身が「だったらこうしようかな」と、より良いルールについて考え始めることもあります。
ステップ4：ルールは「変更できる」ことを伝える
最初から完璧なルールを作る必要はありません。お子さんの成長とともに、SNSの使い方や取り巻く状況は変化します。一度決めたルールも、必要に応じて見直したり変更したりできることを、お子さんに伝えておきましょう。
例えば、「このルールでしばらくやってみて、もし難しかったり、もっと良い方法が見つかったりしたら、また家族で話し合って変えていこうね」のように伝えます。これにより、お子さんはルールに縛られすぎていると感じにくくなり、「もし困ったらまた相談できる」という安心感を持つことができます。定期的に家族でSNSの使い方について話し合う時間を持つことも有効です。
バランスの取れたルール作りのためのヒント
上記のステップを踏むことに加えて、日々のコミュニケーションの中で意識したいヒントをご紹介します。
- 「なぜ」を具体的に伝える: なぜこのルールが必要なのか、その理由を具体的に説明しましょう。例えば、「夜遅くまで使うと、次の日眠くて勉強に集中できなくなったり、体の調子が悪くなったりするかもしれないから、夜〇時までと決めたいんだよ」のように、お子さんが想像しやすい言葉で伝えます。
- 良い使い方にも目を向ける: 禁止事項だけでなく、「SNSで友達と笑い合えるのは楽しいね」「好きなことの情報を集めるのに便利だね」など、SNSのポジティブな側面にも目を向け、良い使い方の例を話題にしてみましょう。
- 親自身も学び続ける姿勢を見せる: SNSの新しい機能や流行、起こりうる危険性について、保護者自身も関心を持ち、学び続ける姿勢をお子さんに見せることも大切です。「このアプリ、最近よく聞くけどどんなことができるの？」など、お子さんと一緒にSNSについて話す機会を作りましょう。
- 完璧を目指さない: 子育てと同様、SNSルール作りも試行錯誤の連続です。最初から完璧なルールを目指すのではなく、お子さんと一緒に考え、話し合いながら、少しずつ家庭に合った形に育てていくくらいの気持ちで取り組みましょう。
まとめ：信頼関係を育むルール作りを目指して
お子さんがSNSを安全に楽しく利用するためには、ルールは非常に大切です。しかし、そのルールが一方的なものになってしまうと、お子さんの心は離れていってしまう可能性があります。
今回ご紹介したステップのように、ルールの目的を共有し、お子さんの意見も聞きながら、一緒に考えて作り上げたルールは、お子さんにとって「自分事」となりやすく、「守りたい」という気持ちにつながります。そして何より、ルール作りのプロセスそのものが、お子さんとの信頼関係を築き、困った時に「お父さん・お母さんに相談してみよう」と思える関係を育む大切な機会となるのです。
ぜひ、ご家庭でお子さんとじっくり話し合いながら、お子さんが納得して守れる、バランスの取れたSNSルールを作り上げていってください。