【これで安心】家庭のSNSルール:親子の気持ちを守る!SNSでどう関わるか決めるステップ
お子さんのSNS利用が始まると、楽しみがある一方で、保護者の方にとっては心配事も増えるかもしれません。お子さんがインターネット上の友達や情報と関わるだけでなく、ご家族の間でもSNSを通じたやり取りや情報共有が生まれることがあります。
「子供がSNSに投稿した写真に、親として『いいね!』やコメントをしていいのだろうか?」 「家族で出かけた時の写真をSNSに載せたいけれど、子供に確認するべき?」 「子供がSNSでどんな投稿をしているか、こっそり見てしまうのは駄目なのだろうか?」
このような、家庭内でのSNSとの向き合い方、特に親とお子さんの間での関わり方について、どのように考え、どんなルールを作れば良いか悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、お子さんの気持ちも尊重しながら、ご家族みんなが安心してSNSを利用するために、親子のSNSでの関わり方に関するルールを決める具体的なステップをお伝えします。
なぜ家庭で親子のSNSでの関わり方ルールが必要なのか
お子さんがSNSを使い始めると、ご家族の日常生活の中にSNSという新しい要素が入ってきます。これまでの、顔を見て話したり、家の中だけで共有したりしていたコミュニケーションや情報に加えて、SNSを通じたやり取りや、オンライン上での情報公開が発生するようになります。
ルールがないと、以下のようなことが起きやすくなります。
- すれ違いや誤解: 親が良かれと思ってした「いいね!」やコメントがお子さんには迷惑だったり、逆にお子さんが気にしている投稿を親がうっかり見たり、といったすれ違いが起きることがあります。
- プライバシーの侵害: ご家族の誰かが、他の家族の写った写真や、家庭内の様子が分かる情報を本人の許可なくSNSに載せてしまい、トラブルになる可能性があります。
- 見守りの難しさ: 親としてお子さんの安全が心配で見守りたい気持ちと、お子さんの「見られたくない」という気持ちの間で、どのようにバランスを取るか難しくなります。
このようなすれ違いやトラブルを防ぎ、ご家族がお互いの気持ちを尊重しながら気持ちよくSNSを使うために、親子のSNSでの関わり方について事前に話し合い、共通の認識やルールを持つことが大切になります。これは、お子さんのSNS上の友達関係や時間の使い方に関するルールと同じくらい、ご家族が安心してSNSと付き合うための大切な一歩となります。
家庭で決める親子のSNSでの関わり方ルール:具体的なステップ
親子のSNSでの関わり方についてルールを決めることは、「監視する・される」関係ではなく、「お互いを思いやる」関係を作ることに繋がります。難しく考える必要はありません。以下のステップで、ご家族に合ったルールを考えてみましょう。
ステップ1:このテーマについて話し合う時間を持つ
まず、このテーマについてお子さんと一緒に話す時間を作りましょう。「SNSの使い方で、お母さん(お父さん)がどう関わって良いか、困っていることや、お互いに気持ちよく使うために一緒に考えてほしいことがあるんだ」のように、相談する形で切り出すのが良いでしょう。
「なぜこんなことを話す必要があるの?」とお子さんに聞かれたら、「お互いが嫌な気持ちになったり、困ったりしないように、大切にしたいことを確認したいからだよ」と、目的を伝えます。お子さん自身も、親からの予期せぬ反応に戸惑った経験があるかもしれません。
ステップ2:「どうしてほしいか」「何が嫌か」をお互い正直に話し合う
お互いの考えや気持ちを伝え合う大切なステップです。
- 保護者の方から:
- 「あなたがどんなことに興味があるか、SNSの投稿から知りたい気持ちもあるけれど、見られたくないこともあるだろうなと思っているよ。」
- 「家族で撮った写真や、家での出来事をSNSに載せたい時があるけれど、あなたはどう思う?」
- 「もし、あなたのSNSで気になる投稿を見つけたら、どうしてほしい?」
- 「お母さん(お父さん)がSNSに投稿する写真や情報について、気になることはある?」
- お子さんから:
- 「お母さん(お父さん)にSNSの投稿を見られるのは嫌だ。」
- 「友達に知られたくないから、SNSで『いいね!』やコメントをしてほしくない。」
- 「SNSに自分の写真や家族の写真を載せる時は、必ず確認してほしい。」
- 「もし何か心配な投稿があったら、SNS上で言われるより、直接話してほしい。」
このように、「〜してほしい」「〜は嫌だ」といった具体的な気持ちを言葉にすることで、お互いの考えを理解しやすくなります。この時、相手の意見を否定せず、まずは「そう思っているんだね」と受け止める姿勢が大切です。
ステップ3:お互いが安心できる「これなら大丈夫」なラインを探し、言葉にする
お互いの気持ちを伝え合ったら、「これならお互い気持ちよく過ごせるね」「これなら安心だね」という共通のラインを探します。そして、それを具体的な言葉でルールとして決めていきます。
いくつかの例を挙げます。ご家族の状況に合わせて、話し合った内容を当てはめてみてください。
- 親が子供の投稿を見ることについて:
- 例1:「お互いのSNS投稿は、見たい時に見ても大丈夫。ただし、見られたくないものもあると思うから、内緒で見たり後から責めたりするのではなく、もし何か気になる投稿があったら、必ず直接話そうね。」
- 例2:「お互いのプライベートな投稿は見ないことにしよう。ただし、安全に関わることでどうしても確認が必要な場合は、先に『少し見せてくれる?』と声をかけてね。」
- 例3:「普段は自由に見ないけれど、月に一度など、一緒に見て話す時間を持とうか。」
- ポイント: 無断での「監視」はお子さんの信頼を損ねやすい行為です。見守りの必要性を感じている場合は、その理由(安全上の心配など)を正直に伝え、どこまで、どのような方法で見守るか、お子さんの意見も聞きながら決めると良いでしょう。
- 親が子供の投稿に反応することについて:
- 例1:「お子さんがSNSに投稿した内容に、お母さん(お父さん)が『いいね!』やコメントをしても良いか確認する? それとも、友達とのやり取りを邪魔したくないから、基本的にはSNS上では反応しない方がいい?」
- 例2:「SNS上でのコメントはしないけれど、家で『あの投稿面白かったね』と話すのは大丈夫?」
- ポイント: 親からの「いいね!」やコメントを「恥ずかしい」「友達に知られたくない」と感じるお子さんもいます。お子さんの気持ちを優先し、SNS上での関わり方について具体的に決めましょう。
- 家族の写真や情報をSNSに載せることについて:
- 例1:「お子さんや家族の顔がはっきり写っている写真をSNSに載せる時は、必ず本人に『載せても良い?』と確認する。」
- 例2:「学校の名前や住んでいる場所が特定できるような情報は、家族に関することでもSNSに載せない。」
- 例3:「家族で楽しんだことでも、他の人にはあまり知られたくないようなプライベートな出来事はSNSに書かないようにする。」
- ポイント: 一度インターネット上に公開された情報は、完全に消すことが難しい場合があります。特に、お子さんに関する情報は、将来お子さんが大きくなった時にどう感じるかも考えて、慎重に扱うことの重要性を話し合いましょう。
ステップ4:決めたルールを書き出して「見える化」する
話し合って決めたルールは、忘れずに家族みんながいつでも確認できるようにしておくと効果的です。紙に書いたり、家族が見る場所に貼り出したり、共有できるメモに残したりと、やりやすい方法で「見える化」しましょう。
例えば、「家庭のSNSルールリスト」の中に、「親子のSNSでの関わり方」という項目を追加して書き加えてみるのも良いでしょう。
ステップ5:定期的に見直す
お子さんの成長やSNSの使い方、家族の状況は変化していきます。一度決めたルールが、時間が経つと合わなくなることもあります。学年が変わった時、新しいSNSを使い始めた時など、定期的にルールを見直す時間を作りましょう。
「最近、このルールで困ったことはない?」「変えたい部分はありますか?」のように、お子さんに問いかけながら、必要に応じてルールを調整していきます。
まとめ:ルール作りは「お互いを大切にする」話し合いそのもの
家庭でのSNSルール作りは、お子さんを管理するためのものではなく、ご家族がお互いの気持ちを尊重し、安心してデジタル世界と付き合っていくための大切なプロセスです。特に、親子のSNSでの関わり方や情報共有に関するルールは、「お互いをどのように大切に扱うか」というご家庭の価値観を共有する機会にもなります。
完璧なルールを一気に作ろうとする必要はありません。まずは、今回お伝えしたステップを参考に、親子の間で「こんなこと、話してもいいんだ」と思えるような安心できる雰囲気で話し合いを始めてみてください。話し合いそのものが、お互いの理解を深め、信頼関係を育む貴重な時間になるはずです。
ご家族の安心のために、ぜひ一歩踏み出してみてください。