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子供のSNSアカウント乗っ取り、どう防ぐ? もしもの時の家庭での対応ステップ

Tags: SNSトラブル, アカウント乗っ取り, なりすまし, セキュリティ, 家庭のルール, 保護者向け, 子供の安全

お子さんがSNSを使い始めると、「アカウントが誰かに勝手に使われたらどうしよう…」という不安を感じる保護者の方もいらっしゃるかもしれません。インターネットの技術的なことはよく分からないし、もしそうなってしまったら、どうすれば良いのか見当もつかない、と感じるかもしれません。

この記事では、お子さんのSNSアカウントがもしも乗っ取られたり、本人ではない誰かに使われたりしてしまった場合に、落ち着いて対応するための具体的なステップと、そうならないための日頃の備えについて、専門的な言葉を使わずに分かりやすくご説明します。

「乗っ取り」「なりすまし」とは、家庭で何に注意すべきか

SNSの世界で「アカウントが乗っ取られた」「なりすましにあった」と聞くことがあります。これは、お子さんのSNSアカウントに、本人ではない誰かがログインし、勝手に使ってしまう状態を指しますことが多いです。

なぜこのようなことが起きるのでしょうか。原因は様々ですが、例えば、

アカウントを勝手に使われると、お子さん本人が困るだけでなく、SNS上の友達にも迷惑がかかったり、危険が及んだりする可能性があります。例えば、本人になりすまして友達に変なメッセージを送ったり、個人情報を勝手に公開したり、犯罪に巻き込まれるような書き込みをしたりすることも考えられます。

「もしも」に備える!普段からできる「防ぐ」ための対策

アカウントの不正利用は、完全に防ぐことは難しい場合もありますが、日頃からいくつかの対策をしておくことで、その可能性をぐっと低くすることができます。難しく考える必要はありません。家庭で一緒に確認できる簡単なことから始めましょう。

  1. パスワードを大切に管理する
    • 推測されにくいパスワードを使う: 誕生日や名前など、簡単に分かるパスワードは避けるようにしましょう。大文字と小文字、数字、記号などを組み合わせた、少し長めのパスワードが安全です。
    • 使い回しをしない: 複数のSNSや他のサービスで同じパスワードを使うのは危険です。もしどれか一つからパスワードが漏れてしまうと、他の全てのアカウントも危険にさらされてしまいます。
    • 人に教えない: 家族であっても、パスワードはむやみに教えないようにしましょう。SNSの運営会社の人がパスワードを聞いてくることは絶対にありません。
  2. 「二段階認証(多要素認証)」を設定する
    • これは、パスワードを入れてログインしようとした時、さらに別の方法(例えば、登録した電話番号に送られてくる短い数字のコードを入力するなど)でも本人確認をする仕組みです。泥棒がドアのカギを開けても、もう一つ別のカギがないと入れない、といったイメージです。多くのSNSにはこの機能がありますので、設定しておくことをお勧めします。設定方法はお子さんと一緒に調べてみましょう。「〇〇(SNSの名前) 二段階認証 設定」などで検索するとやり方が見つかるはずです。
  3. 知らない人からのメッセージや、怪しいリンクには注意する
    • SNSで知らない人からメッセージが来ても、安易に開いたり、返信したりしないようにしましょう。「お得な情報があります」「警告です」といったメッセージや、よく分からないURL(インターネット上の住所)が貼られているリンクには、ウイルスが隠されていたり、パスワードを盗もうとするサイトにつながっていたりすることがあります。
  4. 使っていないアプリとのSNS連携は解除する
    • ゲームアプリや診断アプリなど、SNSアカウントを使ってログインするタイプのサービスを利用することがあります。使わなくなった連携はそのままにせず、SNSの設定画面から連携を解除しておくと安心です。
  5. 何かあったら話せる親子関係を作る
    • お子さんがSNSを使っていて「あれ?何かおかしいな」「変なことが起きた」と感じた時に、「お父さんやお母さんに話したら怒られるかな…」と心配せずに相談できる関係がとても大切です。日頃からSNSのことについても、どんな楽しいことがあったかだけでなく、「こんなことで困ったよ」という話も聞きやすい雰囲気を作っておきましょう。

「あれ?うちの子のSNSが変かも?」気づきのヒント

日頃から対策をしていても、万が一のことが起きる可能性はゼロではありません。もし、お子さんのSNSの様子がいつもと違うと感じたら、アカウントが不正に使われているサインかもしれません。どんな点に注意して見ておけば良いでしょうか。

これらのサインが見られたら、「もしかしたら不正に使われているのかもしれない」と考えてみることが大切です。

もしもアカウントが不正に使われたら?落ち着いて対応するステップ

実際に、お子さんのSNSアカウントが不正に使われている可能性があると気づいた場合、どうすれば良いのでしょうか。慌ててしまう気持ちになるかもしれませんが、一つずつ落ち着いて対応することが重要です。

  1. まずは落ち着きましょう。そしてお子さんを責めないでください。
    • パニックにならず、「どうしよう、どうしよう」と騒がないことが大切です。そして、「どうして変なサイトを見たんだ」「簡単なパスワードを使ったからだ」などと、お子さんを責めることは絶対にやめましょう。お子さんが今後、困ったことがあっても保護者に相談しにくくなってしまいます。まずは「何か変なことが起きているようだね、一緒に見てみよう」と、お子さんの気持ちに寄り添う姿勢を見せてください。
  2. 何が起きているのか、状況を確認します。
    • どのような不正利用が起きているのか、いつから起きているのか、どのような投稿やメッセージが勝手に送られているのかなど、詳しい状況をお子さんと一緒に確認します。この時、証拠となりそうな画面(勝手な投稿やメッセージなど)は、スマートフォンの「スクリーンショット」機能などを使って写真のように残しておくと、後でSNS運営会社に報告する際に役立つことがあります。
  3. アカウントの安全を確保します。
    • すぐにパスワードを変更します: もしまだアカウントにログインできる場合は、まずパスワードを、これまでとは全く違う、より複雑なものに変更します。他のサービスで使っていないパスワードにしましょう。
    • 登録情報を確認します: アカウントに登録しているメールアドレスや電話番号が、知らないうちに誰かのものに書き換えられていないか確認します。もし変更されていたら、元の情報に戻しましょう。
    • 二段階認証を設定します: まだ設定していなかった場合は、この機会に必ず設定しましょう。
    • 不審なアプリ連携を解除します: アカウントの設定画面を見て、身に覚えのない外部アプリとの連携があれば、解除します。
  4. SNSの運営会社に報告・問い合わせをします。
    • アカウントを管理しているSNSの運営会社に、不正利用されている状況を報告します。各SNSには「ヘルプセンター」や「お問い合わせフォーム」があります。「〇〇(SNSの名前) ヘルプセンター」「〇〇 不正利用 報告」などでインターネット検索すると、窓口が見つかります。状況を詳しく伝え、アカウントの復旧や、不正に利用したアカウントへの対応をお願いします。
  5. 必要に応じて、関係各所にも連絡・相談します。
    • 学校に連絡する: もし、学校の友達にも迷惑がかかっている可能性がある場合や、学校生活に影響が出そうな場合は、担任の先生などに状況を伝えて相談してみましょう。
    • 警察に相談する: もし、お金を騙し取られるといった金銭的な被害があったり、犯罪に巻き込まれる可能性があったりする場合は、警察に相談することを検討してください。
    • その他の相談窓口: 子供のインターネット利用に関する相談窓口(国民生活センター、消費生活センター、警察庁のサイバー相談窓口、各都道府県の青少年向け相談窓口など)に相談することもできます。
  6. 今回の経験を、今後への学びとして振り返ります。
    • 不正利用の原因は何だったのか、どうすれば防げたのかを、落ち着いてからお子さんと一緒に話し合ってみましょう。パスワード管理の大切さや、怪しい情報に近づかないことの重要性を改めて学ぶ機会とすることができます。

まとめ:日頃の備えと、もしもの時の落ち着いた対応が大切

お子さんのSNSアカウントの乗っ取りやなりすましは、誰にでも起こる可能性があります。ITに詳しくないと、どうしても不安になってしまいますが、ご紹介したように、普段からパスワードの管理や二段階認証の設定といった基本的な対策をしっかり行うこと、そして、もし万が一そのような状況になってしまっても、慌てずに段階を踏んで対応することを知っておけば、必要以上に恐れることはありません。

何よりも大切なのは、日頃からお子さんとSNSについて話し合い、何か困ったことがあった時にすぐに保護者に相談できる信頼関係を築いておくことです。「ちょっと変だな?」と感じた小さなサインを見逃さず、親子で一緒に確認し、対応していく姿勢が、お子さんをSNSのトラブルから守る何よりの力になります。

この情報が、保護者の方の不安を少しでも和らげ、お子さんと一緒にSNSを安心安全に利用するための手助けになれば幸いです。