これで安心!子供のSNS、パスワードと二段階認証で安全対策 家庭でできる設定ガイド
お子さんのSNS利用が始まると、「アカウントが悪用されたらどうしよう」「情報が漏れてしまわないか」といった不安を感じる保護者の方もいらっしゃるかもしれません。インターネット上の安全対策は難しそう、と感じるかもしれませんが、実は、ご家庭でもできる大切な安全対策があります。
この記事では、お子さんのSNSアカウントを不正な利用から守るために、基本となる「パスワード」と、もう一つの安心対策である「二段階認証」について、分かりやすくご説明します。ITが苦手でも大丈夫です。ご家庭でどのように考え、お子さんと一緒に取り組めるのか、そのヒントをお伝えします。
SNSアカウントの安全はなぜ大切?
SNSのアカウントは、インターネットの世界における「お子さんの家」のようなものです。アカウントを通じて、お子さんは友達と話したり、好きな情報を見たり、自分の気持ちを発信したりします。
この「家」の鍵がしっかりかかっていなかったり、誰かに鍵を盗まれてしまったりすると、色々な困ったことが起こる可能性があります。
- アカウントが勝手に使われる(不正利用、なりすまし): お子さんになりすまして、友達に失礼なメッセージを送ったり、お子さんの知らないところで変な投稿をされたりすることがあります。
- 個人情報が漏れてしまう: アカウントの中に登録しているメールアドレスや電話番号、場合によっては住んでいる場所といった情報が、悪意のある第三者に知られてしまう危険があります。
- 友達や家族に迷惑をかけてしまう: なりすまされたアカウントから、友達に悪い情報が送られたり、お金をだまし取ろうとするメッセージが送られたりするケースも報告されています。
このような危険からお子さんの大切な「家」(SNSアカウント)を守るために、鍵をしっかりと管理することがとても重要になります。その「鍵」にあたるのが、パスワードと二段階認証です。
大切な鍵:パスワードについて
パスワードは、アカウントにログインするために必要な「合言葉」や「暗証番号」のようなものです。正しいパスワードを知っている人だけが、そのアカウントを使うことができます。
「弱いパスワード」と「強いパスワード」
パスワードには、「弱いパスワード」と「強いパスワード」があります。
- 弱いパスワードの例:
- お子さんの誕生日や名前
- 「123456」のような簡単な数字の並び
- 「password」のような、よく使われる単語
- 同じ文字や数字の繰り返し(例: 「aaaaaa」)
- キーボードの並び順(例: 「qwerty」)
これらは、誰でも簡単に推測できてしまうため、危険です。鍵のかかっていない家のような状態と言えます。
- 強いパスワードの例:
- 文字、数字、記号(!, @, # など)を混ぜて使う
- 大文字と小文字を混ぜて使う
- 文字数が長い(一般的に8文字以上、できれば10文字以上が推奨されています)
- 推測されにくい、意味のない文字列
例えば、「sakura-2024- spring!」のように、いくつかの言葉と数字、記号を組み合わせると、覚えやすく、かつ推測されにくい強いパスワードになります。(これはあくまで例ですので、このまま使用しないでください。)
パスワードの使い回しは危険です
お子さんがいくつかのSNSやインターネットサービスを使っている場合、それぞれのパスワードを同じものにしてしまうのは危険です。もし、そのサービスのうち一つからパスワードが漏れてしまった場合、他のサービスも芋づる式に不正利用されてしまう可能性があります。それぞれの「家」に、違う鍵を用意することが大切です。
ご家庭でできること
- 強いパスワードのヒントを一緒に考える: お子さんと一緒に、強いパスワードを作るにはどうしたら良いか話し合ってみましょう。覚えやすい言葉や数字の組み合わせ方、記号の使い方などを教えてあげてください。
- パスワードを人に教えないルールを決める: 家族であっても、パスワードは無断で見たり使ったりしないことを約束しましょう。友達はもちろん、オンライン上の知り合いにも絶対に教えないことを確認してください。
- パスワードを安全に管理する方法を話し合う: パスワードを忘れないようにメモする場合でも、人に見られない安全な場所に保管することを教えましょう。(パソコンやスマートフォンに保存する方法もありますが、まずは基本的な安全管理を優先して伝えてください。)
もう一つの安心対策:二段階認証について
パスワードは大切な「鍵」ですが、もしパスワードが何らかの方法で漏れてしまった場合、それだけで不正にログインされてしまう危険があります。
そこで、さらに安全性を高めるのが「二段階認証」です。これは、パスワードを入力してログインしようとした時に、パスワード以外にもう一つの方法で本人確認を行う仕組みです。
例えるなら、家の鍵を開けた後に、さらにもう一つ別の鍵や、本人しか分からない合図がないと入れないようにするようなものです。
二段階認証の仕組みの例
多くのSNSやサービスで使われている二段階認証の仕組みには、いくつかの種類があります。
- スマートフォンのメッセージ(SMS)に届く数字: パスワードを入れた後、登録しているスマートフォンの電話番号に短い数字(認証コード)が送られてきて、その数字を入力することでログインできます。
- 専用アプリに表示される数字: スマートフォンにインストールした認証用のアプリを開くと、一定時間だけ有効な数字が表示され、その数字を入力してログインします。
- ログインしようとしていることを知らせる通知: ログインしようとすると、あらかじめ登録しておいた別のデバイス(別のスマホなど)に「あなたがログインしようとしていますか?」というメッセージが届き、そこで「はい」と承認することでログインできます。
これらの方法は、パスワードが万が一漏れてしまっても、その「もう一つ」がない限り、勝手にログインされることを防ぐことができます。
二段階認証を設定するメリット
二段階認証を設定すると、ログインするたびに一手間増えることになります。しかし、その分、アカウントの安全性が格段に高まります。パスワードが漏れても、簡単には不正ログインされなくなるため、お子さんのアカウントをより強力に守ることができます。
ご家庭でできること
- 二段階認証があることを知る: お子さんが使っているSNSに二段階認証の設定ができるかどうか、一緒にアプリの設定画面を見てみましょう。「セキュリティ設定」や「アカウント設定」といった項目にあることが多いです。
- 設定することのメリットを話す: なぜ二段階認証を設定すると安心なのか、先ほどの「二つ目の鍵」の例えなどを使って分かりやすく説明し、設定を検討するきっかけにしましょう。
- 設定方法を一緒に調べてみる: もし可能であれば、設定方法を親子で一緒に調べてみましょう。アプリによって方法は異なりますが、画面の案内に従って進められるように作られていることが多いです。
安全対策を「家庭のルール」として取り入れる
パスワードを強くする、二段階認証を設定するといった技術的な対策だけでなく、これらを家庭でのSNS利用のルールとして話し合い、取り入れることが大切です。
- 「パスワードは勝手に使わない」ルール: 親子でパスワードを共有するかどうか、共有する場合でも無断で使用しないことなど、パスワードの取り扱いに関するルールを決めましょう。
- 「強いパスワードの作り方を学ぶ時間」を設ける: 一度きりでなく、パスワードを考える時間や、安全について学ぶ時間を定期的に持つことをルールにするのも良いでしょう。
- 「ログイン通知などを気に留める」ルール: 二段階認証を設定した場合に、身に覚えのないログイン通知が来たらすぐに保護者に伝える、といったルールを決めておくと、万が一の時に早く気づくことができます。
これらのルールは、一方的に保護者が決めるのではなく、なぜ必要なのかをお子さんに丁寧に説明し、一緒に話し合いながら決めることが、お子さん自身が安全なSNS利用を心がけることにつながります。
まとめ
お子さんのSNSアカウントを安全に保つことは、お子さんをインターネット上の危険から守るための大切な一歩です。難しそうに思えるかもしれませんが、「パスワードを強くする」「二段階認証を設定する」という二つの基本的な対策から始めることができます。
これらは特別な技術が必要なことではありません。少しの知識と工夫で、誰でも取り組むことができます。
ご家庭でこれらの安全対策について話し合い、ぜひ家庭のSNSルールの一部として取り入れてみてください。一つずつ理解を深め、実行可能なステップを踏んでいくことで、お子さんも保護者の方も、より安心してSNSを利用できるようになるはずです。